絶望の裁判所 (講談社現代新書) の感想

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タイトル絶望の裁判所 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者瀬木 比呂志
販売元講談社
JANコード9784062882507
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 暮らしの法律 » 法律入門

購入者の感想

公平で人権主義のひとは裁判官を続けていられないということ
官僚主義で、訴訟の当事者のことよりも、裁判官の仕事のご都合がなにより大事でそれによって進行が左右される

裁判所や裁判官のことを、自由平等、人権の尊重を重んじる最後の砦とこれまでなにも知らないわたしはこれまで純粋にも考えていました

この人間の社会は不公平、アンフェアなこと、人権の尊重ってなんですかぁ~と含みのある笑いで問いかけるひとがいる。
裁判官がつくる裁判所もこの社会の中にある。考えてみれば不思議ではない

裁判所だけが不公平な人間社会の公平、平等、人権主義、正義の天国であるはずがない
子どもの社会は大人社会の縮図だというように、人間の作る組織はどこでもこの社会の縮図というものなのかも知れない

期待しない方がいいよ、のレベルではなく、「絶望の裁判所」である
著者は大学の教授となっているが、前職の裁判官の職で2度も精神を疲弊させて調子を崩しているが
異常なこと、おかしいことに気が付けること自体そのひとの心の強さだと思う
弱い人間は異常にさえ気が付かず、長いモノに巻かれるだけ、正義の心の分抵抗なんてないから楽なんだろう
読んでいて、この方のひとと物事を診る視点がおもしろかった
人間観察の視点がユニークだと思った。怪物のようなもう自身の尺度では測り切れないし、そんものが通用しないタイプの裁判官のエピソードの話しがおもしろかった

裁判所以外でも、そういう人っている
裁判所がどんな人たちで作られているのかの現実。自分の他者にもつかえる観察眼の示唆もあるように思った。
しかし、裁判官は視野が非常に狭い、官僚制のただの公務員の集まり、裁判官は結局縦割り、お役所対応と言われるような役人なんだろう
高貴で正義感があって、人間としても高い志のある人が、裁判官になっているわけでもなんでもない。
逆に自由主義でそうしたフェアに物事を考える人々が裁判所から排除されている。生残れなくなっている。裁判所とはそういうところ。

 本書に描かれている裁判所のあり方と裁判官の生き様は、日本社会の病巣そのものを集中的に表現している。裁判所という「収容所群島」は、私が「東大話法」の研究を通じて論じたエリートの様相と異様な言語体系とが、もっとも高密度で析出している空間である。もちろん、役所も企業も銀行も新聞も、さらには大学も、すべてのエリート組織は多かれ少なかれ「収容所群島」であり、そんな連中によって支配されているこの国そのものが「収容所列島」なのである。
 本書に弱点があるとすれば、日本社会が「民主主義」であるのに、裁判所が「社会主義」であるのはおかしいから改革すべき、という考えである。そんな風になっているはずがないのであって、日本が「社会主義」(私の考えでは立場主義)だから、裁判所もそうなっているのである。改革すべきは裁判所だけではなく、この収容所列島の全体である。

国民の権利と自由を守るべき日本の裁判官・裁判所が、およそ司法権の名に値しない、上命下服の役人集団であることを明らかにした告発の書。

類書は数多あれど、本書の最大の特徴は、最高裁事務総局民事局付、最高裁調査官を歴任した、「本当のエリート裁判官」によるものであること。「最高裁事務総局の意向を窺うヒラメ裁判官」というのは、ある意味言い古された、ステレオタイプな日本の裁判官像でもあったが、こういった言説に対して我が国の知識階級の多くは、「出世できなかった、跳ねっ返り裁判官のルサンチマンに脚色された誇張的見方であって、実際の裁判所はそこまで酷くはないだろう」との淡い願望を抱いていたのではないか。そのような願望を、本書は容赦なく打ち砕く。

著者が本書を通じてもっとも伝えたかったのは、裁判所内部のヒエラルキーによる支配・統制が裁判官たちの精神を荒廃させ、モラルや士気を低下させて、あたかも「収容所群島」の囚人のような悲惨な立場へ追いやっており、そのような裁判官たちによる判断は、あるべき公正、公平なものとは程遠いものとなっている、という点にあろう。

なるほど、著者の見聞きしてきた事実は重い。裁判所のそのような惨状は、裁判員制度の導入を奇貨として、長年冷遇されてきた立場からの逆転を図った、刑事裁判官たちが、要路を支配するようになってから急速に強まったなどという話は初めて知ったが、さもありなんと思わせる話だ。

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