いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか (ちくま学芸文庫) の感想
参照データ
タイトル | いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか (ちくま学芸文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ルドルフ シュタイナー |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480086648 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 認識論 |
購入者の感想
神智学や、「超感覚的世界の認識を獲得する」ことが目的で読んだのではありません。誰もが普通に望むように、人生をより豊かに幸せに感じるヒントを求めて読み、そしてその方向での素晴らしい道しるべをたくさんもらいました。神智学上の言葉を、自分のテーマに置き換え読み砕いていくと、(たとえば「神智学徒はいかなるときもひっそり自己沈静する時間を生活のなかに確保するべきだ」を、「幸せになりたい人はいかなるときもひっそり自己沈静する時間を生活のなかに確保するべきだ」というように)人生のあらゆるシーンで深く自己観察して問題を解決していくための大きな助けとなります。特に、「物事を批判したり、酷評したりする行為は高次の認識能力を失わせる。あらゆる事柄の中に優れたものを見いだ!そうとする試み、対象を愛し、敬おうとするたゆまぬ自己への働きかけが、魂の中で今まで微睡み続けていた諸力を目覚めさせるのだ」という「畏敬・礼讃の小道」の叙述には、ハッとしました。このあたりは、物事を比較・批判・二者択一によって観察することを幼い頃から教えられてきてしまったほとんどの現代人の、ゴールのないむなしい思考回路に対する、深い警鐘となっています。一日にほんの少しずつ、ゆっくりと自分に当てはめて解釈しながら、かみ砕いて読み進むと、生きていく上でぶつかるあらゆる壁を乗り越えるための基盤となる透明な心を育てていける、そんな深い価値のある一冊でした。今もヒントが欲しくなると何度も部分的に読み返します。0