料理の科学〈1〉素朴な疑問に答えます の感想

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タイトル料理の科学〈1〉素朴な疑問に答えます
発売日販売日未定
製作者ロバート・L. ウォルク
販売元楽工社
JANコード9784903063577
カテゴリノンフィクション » 科学 » 食品・栄養学 » 食品科学

購入者の感想

(当方理系出身です。)
この本は日常の作業である料理を新しい視点で見ることを促してくれました。
理系で探究心のある方や普段料理を何気なくする方におすすめします。
本当に料理が楽しくなりました。

他の本を書いて恐縮ですが、Cooking for Geeksと合わせて読むと、かなりコアな料理人になれると思います。
※料理がうまくなるというよりは、料理を楽しめるようになる。です。ご参考まで。。。

料理にまつわる素朴な疑問に、化学者が自宅の実験室で確かめて回答します。
ワシントン・ポストの食品化学コラムに寄せられた読者とのQ&Aの連載です。
内容は理詰めで面白いです。

たとえば、「澄ましバター」の解説は以下のようです。
★澄ましバターは、バターから、(動脈に悪い飽和度の高い)バター脂肪だけを取り出した風味豊かな食品です(笑)。
澄ましバターで炒めものをすると、バターのタンパク質が除かれてるので、タンパクが焦げた発がん性物質を食べないで済みます(なるほど安心)。
澄ましバターは、細菌の繁殖するタンパク質が無いので、バターよりはるかに長持ちします(そうなんですか)。
変質しても細菌汚染ではないので衛生的です(知らなかった)。

澄ましバターの作り方は、
・低温で溶かして、上澄み(タンパク質)と脂と底の水分の三層に分離させます。
・上澄みを掬い取り、残りを冷蔵庫で冷やして、固まった脂を取り上げて、底の氷は捨てます。
・バターから、2/3の澄ましバターができます。

加塩バターの場合には、水分に溶け出すので、塩分量を減らせます(減塩になる)。
乳糖が水分に溶け出すので、アレルギーの人も、澄ましバターを使えます。
上澄みは風味があるので、蒸し野菜の味付けや、ポップコーンにまぶします(美味しそう)。

その他の回答も参考になりました。
★「揚げ物の油」は、加熱すると酸化して遊離脂肪酸に分解して、発煙温度が下がり煙が出やすくなり、味も悪くなります。
また、高温で重合して粘度が増し色が付きます。最後に、フリーラジカル(有害化学物質)に分解します。
揚げ油は、使用後に毎回捨てるのが望ましいそうです。

★「緑色のジャガイモ」は、有害物質ソラニン(アルカロイド)の警報です。
緑色は葉緑素の色で、光合成を開始するサインです。
この時に、ソラニンも生成するので、緑色は危険を間接的に知らせることになります。
ソラニンは表皮と芽に集中するので、厚めに皮をむきます。

著者のロバート・ウォルク氏は科学的な観点から質問に答えているのだが、
その答え方が論理的でありながら、分かりやすい。時折みせるジョークが面白かったりする。

ただ質問によっては専門用語が多数出てくる内容も多いので、元素や化学反応の知識がないと
さっぱり分からないという場合もあるかもしれない。

料理の科学関係の本は何冊か読みましたが一番分かりやすく、楽しく読めます。専門用語も登場してきますが簡単な解説がついています。 広く浅く(読み方によっては深く)料理を知ることができるでしょう。 “料理”とは「理(ことわり)を料(はか)る」、つまり宇宙の摂理を理解するということ。 私たちは生きるために食べるのか、食べるために生きるのか? 世の中には食べなくても生きることができる人もいるようですが(?)、まだまだ多くの人は(自分も含め)食べる必要があるでしょう。 感覚で料理をして食べることもいいですが科学的な知識を得ることでより人間らしく食することができるかもしれません。 別本になりますが「Cooking For Geeks」もご参考にされてください。

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