American Beauty/American Psych の感想

現在２１歳の私ですが、高校時代の青春をFall Out Boyが影で支えてくれました。個人的に思い入れのあるバンドです。
このアルバム全曲がYouTubeのFall Out Boy公式アカウントで公開されているのでそちらで視聴してみるのが一番早いと思われます。

まず彼らの魅力のひとつが歌詞です。どれだけ歌のテイストが変わってもそれだけは変わりません。
歌の殆どは恋愛ソングですが、コミカルなミュージックビデオとは裏腹に、かなり重い歌詞が多いです。そして比喩表現が独創的です。

その例として、一曲目の”Irresistible”に　"You know, You look so Seattle, but you feel so LA"　という歌詞があります。
直訳すると「君って見た目はシアトルだけど、中身はロサンゼルスだよね」ですが、アメリカでの一般的な認識では、「シアトルは安全、ロサンゼルスは危険」となっています。つまり彼女は安全そうに見えるけど実は危険な人。そして、この男はその危険な部分に魅力を感じるということも意味しています。こんな表現方法もあるんだと驚かされました（笑）　ぜひ難解だけど奥が深い歌詞カードにも目を通してみてください。

キャッチーな曲調も健在です。このアルバムは前回のアルバム”Save Rock and Roll”に近いテイストですが、より洗練されたイメージです。
前作は若干ポップ寄りで、かつ電子音（DTM？）が全面に押し出されていた為、それによりバンドの音が薄れていたイメージがあります。キャッチーだけど音がどこかつまらなく感じ、一部の曲を除いて早い段階で飽きてしまいました。ですが、今作ではベースの音を３つ重ね録りして重厚な低音を作り上げたりと、本来のバンドの音を作り上げ、その飾りに電子音やサンプリングといった感じで非常にバランスよく作られていると思います。音の密度というのですかね、非常に濃厚です！