モノクローム の感想
参照データ
タイトル | モノクローム |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 石内 都 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480872197 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
なぜモノクロしか撮らないのか? 石内都はその理由を「黒と白の無彩色が好きだというのもその一つであるけど、何といっても肉眼では得られない、まだ見ぬ世界の色合いに強いあこがれを持っている」と書いている。私たちの周りは原色で溢れている。かつて大阪・飛田新地の元遊郭『百番』の内部を私は撮ったことがある。そこには日光の陽明門を模した内装など極彩色の世界が展開している。その、いわば男の束の間の夢の世界を石内都はモノクロで撮っていたのには驚いた。「現実を写し撮ることも写真の機能の一つであるけれど、それ以上に眼の前にあるモノを写し変える作意が、写真には満ち溢れている」。優れた写真家の優れたエッセー集である。