ブレイクアウト・ネーションズ:「これから来る国」はどこか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) の感想

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タイトルブレイクアウト・ネーションズ:「これから来る国」はどこか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
発売日販売日未定
製作者ルチル・シャルマ
販売元早川書房
JANコード9784150504298
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

2013年2月に発売された本の文庫化である。著者によると、「世界経済の成長力は低下し、世の中の形が大きく変わろうとしている。そうした時代のただ中にあって、われわれは新興国を、全体としてではなく、個別に見はじめる必要がある」という。そして、世界の新興国の状況を次々紹介し、現状を突破して同じ所得階層にあるライバル国を上回る成長を期待できる「ブレイクアウト・ネーション」になれる国を探そうとする本である。著者はインド出身の投資家。

世界経済の変動の早さから比べると、この本の内容はところどころ結構古い。例えば、ベトナムの評価は確実にこの本に書かれているより良くなっているし、べたほめされている韓国経済は最近変調が見られる。ただ、政治制度との関係、腐敗、インフラ投資、貯蓄と負債、コモディティとの関連性、文化、歴史的な経緯といったような著者が着目している視点については参考になるところがいろいろあり、勉強にはなる。

先進国の中にもブレイクアウト・ネーションの候補はあるとして、アメリカとドイツにかなり注目しているが、これは現在でもそのまま共通するところが多いかもしれない。ポーランドやチェコもそうだ。中国についてはもっとも多く取り上げられているが、すでにかなり成長したので率としては今後は鈍化することが予想されているし、高騰した不動産や企業の収益性などいろいろな問題があることも指摘されている。インドやブラジルについてもなかなか詳しいが、結構厳しい意見も書かれている。ロシアについての見方も的確だと思う。南アフリカ、メキシコ、カナダ、オーストラリア、インドネシア、フィリピンといった国についても書かれている。

 BRICs、BRICsとメディアが騒ぎ立てた経済成長新興国(ブラジル、ロシア、インド、中国)
騒ぎは、たしかリーマンショック前の今から10年位前の話だったろうか。その後ブラジルは
サッカーワールドカップ、2016五輪開催地誘致成功などもあって、証券会社からは高利回りの
レアル建て金融商品の売り込みが活発化した。今振り返って見ると!!!!!!

 著者はモーガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの新興国およびグローバル
マクロ担当ディレクター。15年以上にわたって新興諸国をくまなく歩いて得た知識をもとに、
新興国関連で約250億ドルを運用する。オフィスでエクセルを見るより、現地で事実を目で見て
判断をするのが信条だ。イギリスの作家オルダス・ハクスリーは書いている。「旅とは、外国
に対する誤った認識に気づくことである」と。
今や、明暗が分かれたBRICs-----減速する中国、可能性を秘めたインド、煽られるブラジル、
矛盾に満ちたロシア。危機のヨーロッパで成長を続けるポーランドとチェコはユーロ圏に加わ
らない?躍進する二つのイスラム民主国家とは?「十億人の巨大市場」アフリカの光と影。新興
国が先進国に追いつくという見立ては幻想か?新興国の急成長の時代が終わり、各国の成長ス
ピードは次第に鈍化している。そうした状況において、競合国の中で突出した成長を成し遂げ
られる国々=「ブレイクアウト・ネーションズ」はどこなのか?
 本書の原典は2012年出版であるが、その後世界は急速に変わっている。ウクライナ問題、
中東での混乱など大国や国際機関も手もつけられない有様だが、経済は動いている。難しい
テーマではあるが、著者は歯切れの良い切り口で多くのケースを分析していて心地よい。
文中いくつか、ピックアップしてご紹介しよう。
 先ず代表選手の中国から始まる。1975年に始まる改革開放も輸出産業を中心に進めた成長政
策で、日本、韓国、台湾が歩んだ道程をたどる。著者はこの路線で一つの経験則を紹介してい

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