リア王 (まんがで読破) の感想

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参照データ

タイトルリア王 (まんがで読破)
発売日販売日未定
製作者シェイクスピア
販売元イースト・プレス
JANコード9784872579321
カテゴリ文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » 英米文学

購入者の感想

裏切りに次ぐ裏切りで、自分以外の人間は誰も信用できない。
己の成すことは裏切りさえも正義であり、それ以外の人の行いはすべて悪。
人間の醜悪さの極地を描いたシェイクスピアのリア王。
作中に出てくる次の言葉が、その全てを表現している。

『(人間は)みんな泣きながら生まれてきた。
この世界に この茶番の劇場に 放り出されたのが悲しくて泣いたのだ。』

人間社会というのは、皮を剥いでしまえば所詮「茶番の劇場」なのかもしれない。
そして、そんな場所に放り出された人間はまさにどん底。

『でも、どん底は笑いの始まり。
そしてその先にあるのが希望だ。』

最後のクライマックスで号泣しました。ネタばれしない程度にレビューを一言。
本書より引用「人間はみんなこの茶番の劇場に泣きながら生まれてきた」
この作品は小説では読んだことがないのですが、あまりにも感動したので原文を読んでみました。漫画で読むなんて邪道かも知れませんが、はっきり言って漫画の方が訴えかけるものが多いです。とても崇高な作品です。30分程度で読めるので是非読んでいただきたいです。
いわゆるキャラクターものの漫画ではないのでとても新鮮に読むことができます。
憎しみ、裏切り、権力争い、階級制度といった人間のゆがみを全面に押し出し、それが最後に死によって昇華され、完結するのです。愛と死は表裏一体だということが良くわかりました。登場人物の描き方が上手で、親しみやすいので是非そのほかのシェークスピアの作品を漫画で出版してほしいです。あまりにも悲劇過ぎるのでハンカチを用意されたほうがいいです。

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