反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか の感想
参照データ
タイトル | 反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ジョセフ・ヒース |
販売元 | エヌティティ出版 |
JANコード | 9784757143203 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
既刊書『資本主義が嫌いな人のための経済学』では、経済的な右派・左派のそれぞれがはまっている誤解を指摘したヒースが、本書では(カウンター・カルチャー的思考を持つ)文化的左派の企ての無益さをクリアに論じています。
基本的な主張は、「部分的に不具合があるからといってシステム自体を放棄していまうのは間違っており、有害ですらある」ということになると思います。ラディカルな左派は、制度改革のような部分的な取り換えは表面的だとし、穏健的左派(?)を批判し制度そのものを否定しようとします。が、実際に生活の改善に役立ってきたし本当に必要なのは、制度の欠陥の補修ということが本書を読んでよく理解できました。
表現を変えれば、「共有地の悲劇」といった集合行為に関する問題を(解決とまではいかなくても)緩和することができるのはルールの存在であり、社会の抑圧から逃れた「健全な精神」ではない、といったところでしょうか。
本書では文明に対するフロイトとホッブズの見方の相違、ボードリヤールやヴェブレンがどのような議論をしているのかもカウンター・カルチャーの文脈に沿って非常に平易に解説されているため、こちらの方でも勉強になりました。
小節で「バーバリーがダサくなった理由」なるものもあり、こなれた訳文のおかげで面白くすらすら読めます。
基本的な主張は、「部分的に不具合があるからといってシステム自体を放棄していまうのは間違っており、有害ですらある」ということになると思います。ラディカルな左派は、制度改革のような部分的な取り換えは表面的だとし、穏健的左派(?)を批判し制度そのものを否定しようとします。が、実際に生活の改善に役立ってきたし本当に必要なのは、制度の欠陥の補修ということが本書を読んでよく理解できました。
表現を変えれば、「共有地の悲劇」といった集合行為に関する問題を(解決とまではいかなくても)緩和することができるのはルールの存在であり、社会の抑圧から逃れた「健全な精神」ではない、といったところでしょうか。
本書では文明に対するフロイトとホッブズの見方の相違、ボードリヤールやヴェブレンがどのような議論をしているのかもカウンター・カルチャーの文脈に沿って非常に平易に解説されているため、こちらの方でも勉強になりました。
小節で「バーバリーがダサくなった理由」なるものもあり、こなれた訳文のおかげで面白くすらすら読めます。