日本の神々 (とんぼの本) の感想
参照データ
タイトル | 日本の神々 (とんぼの本) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 白洲 正子 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106020643 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
白洲正子の名に惹かれて、求めましたが、彼女の描いたものは短い巻頭エッセイのみ。ちょっと当てがはずれましたが、残りのページを生める数多くの写真は、白洲正子が言及することの多い神仏習合時代の信仰の姿を示す仏像、神像、聖樹、磐座、そして信仰の対象たる山、富士、そして神にささげる神饌です。神仏習合時代とは外来のエキゾティックな宗教仏教と、日本在来の自然信仰とが渾然一体となって、日本独自の宗教の姿を取って見せた時代の意味。明治以降は西洋文明と同時にキリスト教や明治政府が国体護持として再編した国家神道にさらされていきますが、それでも無宗教と思いがちな私たちの心のどこかにひっかかるのは神仏習合時代の自然崇拝の、まさに「あれ」ではないかと、たった1篇の短いエッセイですべてを言い尽くしたかの感のある白洲正子に脱帽。