小さなスナック (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル小さなスナック (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者ナンシー関
販売元文藝春秋
JANコード9784167622107
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

タイトルどおりどこぞの「小さなスナック」でなじみ客同士が他愛もない飲み話で盛り上がっているような力の抜けた対談集。個人的性癖と嗜好の話に終始しているところが心地いい。リリーの「Fカップ」ネタやナンシーの「免許」の話は何度も繰り返されるのだけれども、通しで読んでいるうちにクセになってきて「ああ、またあの話ね」と思いつつ自分もこのスナックの常連になってきたような「悪くない」気分を味わえる。ワインでも日本酒でもなく、ビールかチューハイみたいな度数の低いお酒をダラダラ飲んで低温で盛り上がる感じで愉しい。ただ、10年以上前の対談なので、当然話が古い。願わくば二人が40代になって対談当時よりもさらにメジャーになっても、とった耳垢は集めるか否かとか、ヨーロッパを「ヨー」「ロッ」「パッ」と区切るとヤバイとか、世の中にとってどうでもいい話をダラダラと続けてお互いに突っ込みを入れあっているのを見たかった。

「いわゆるきれいな涙と汚い涙っていうのがあるとしたら、思いがけない涙っていうのがどちらかというときれいな部類になるんじゃないかと思うんですけど、ほとんど世の中の涙は、泣こうとして出る涙ですよね」と話していたリリーの出した『東京タワー』が「泣ける鉄板」みたいな小説としてベストセラーになったこと、対談当時は2度目の免停中で「お洒落で可愛いを売りにしている小型車とか不愉快ですよね。というか、そういう車に乗ってる男がイヤだ」と豪語していたリリーが「全身スマートなスモールカー」、ダイハツ・タント エグゼのCMやっていること、ナンシーはどう料理しただろうか。ナンシーにだって当然リリーに「そういうナンシーさんだって最近……」と突っ込まれるような話がいくつもあったはずである。リリーや読者はどんどん年をとっていくのに彼女にとって時間が止まってしまっていることがやっぱりさびしい。

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