進撃の巨人(16) (講談社コミックス) の感想

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参照データ

タイトル進撃の巨人(16) (講談社コミックス)
発売日2015-04-09
製作者諫山 創
販売元講談社
JANコード9784063953589
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

第63話「鎖」、第66話「願い」は、凄まじいエネルギーに満ち、この世界がいかに不安定であるかを見せてくれた。そんななかで、第66話「願い」で見た疑問が一つ。自分を見失いつつあるエレンが、巨人化するにあたって、飲み込んだのが、巨人化する注射液だ。その瓶ラベルの文字を見ると、「ヨロイ ブラウン」のカタカナが逆様文字になっている。つまり、この液体は硬質化巨人を誕生させる、つまりは鎧の巨人を誕生させるということ。実際、エレンの巨人体は17巻で硬質化に成功しているが、では「ブラウン」とは何なのだろう。鎧の巨人といえば、ライナー・ブラウンだ。ということは、この世界のどこかでは、鎧の巨人になるのは、ブウラン家と決まっていて、じつは壁内の王であるレイス家もそれを知っていたということになる。いや、レイス家は鎧の巨人を誕生させる技術を持ち、鎧の巨人を操っていたという推理も成り立つ。ただわかるのは、レイス家が巨人についてじつに詳しいこと、壁外に何があるのかも知っていそうなこと。レイス家は17巻で途絶してしまうから、真相はもっと先に明かされるのだろうが、なんだか気になってしかたない。
にしても、16巻は迫力に満ちていた。13巻以後、3巻に渡って、巨人は不在であった。「これではタイトルが泣いてしまう」と思っていたが、第63話で巨人同士の凄惨なバトルとなった。エレンの父親グリシャもまた巨人であり、レイス家も巨人の一統であったという衝撃の事実とともにだ。ここでも、将来を読む謎が一つ。グリシャの巨人がフリーダ・レイスの巨人を食べ、エレンがグリシャを食べたということは、エレンには、グリシャの巨人とレイス家の巨人という2つの巨人の発現能力が宿っているとも解釈できる。これまでのエレンの巨人体は、おそらくグリシャの巨人体に由来しよう。また、エレンは注射液をのむことによって、鎧の巨人化も成功させた。残るのは、レイス家に伝わる巨人体だ。レイス家に伝わる巨人体こそが最強とされるらしいが、エレンはまだそれを発現させていないままだ。最後まで発現することがないのか、それともクライマックスでエレンは最強体に変身するのか、そのへんは著者の選択しだいだろうが、まだまだ謎と布石が仕込まれていると感じる。

(注)まぁまぁネタバレありです
このシリーズ、1巻や2巻を読んでいる時にはここまで各キャラの掘り下げがあるとは思っていませんでした。脇役がそれほど描き分けられているとも思えなかったし。
しかし読み進めるにつれて、実際には主役級のキャラクター以外にも個性があり、しっかりと物語の中で役割を担っていることがわかってきました。その中でも、この巻はヒストリア(クリスタ)。1巻で訓練兵10番以内に入ってはいましたが殆んど出番がなく。それが9巻あたりから徐々に重要な人物へと変わってきて。そして16巻ではまさかの単独表紙です(シリーズ序盤ではとても想像できなかった)。
彼女はただ単なる「良い子」ではなかったし、寧ろ無理をしていました。本名が明かされた10巻辺りからそれも変わってきますが、再びこの巻では以前の彼女のように「他人の望む自分」を演じようとしてしまいます。その時にフラッシュバックするユミルの言葉と、その後に彼女が下す決断。ここは16巻最大の見せ場でしょう。鳥肌たちます。彼女の決断は自分勝手といえば自分勝手だし、最良の選択とは言えないのかもしれませんが、それでもこの決断をした彼女には共感できます。なんというか、彼女はとても人間らしい(?)キャラクターだったんだなぁ、と思わされました。決断した後の言動の吹っ切れ具合も好きです(笑)
後やはり、上記したユミルのフラッシュバック。二人の絆(という安っぽい言葉になってしまいますが)の深さです。ユミルの方はずっとヒストリアにベッタリだったし分かっていたのですが、ヒストリアにとってもまたユミルの存在はとても大きなものなのだ、ということが改めてよく分かった巻でした。彼女の決断を後押ししてくれたのがユミルの記憶で良かった。
巨人も久々に登場したし、次巻がとても楽しみです。

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