ドイツ語で世界を読み解く の感想

もと新聞記者の著者による時事ドイツ語シリーズの４冊目、最新刊。

ドイツ語の中級読本として定番の「独文解釈」シリーズ、50年以上読み継がれているだけあって、必要な文法項目を網羅し、過不足なく学べるのでしょうが、いかんせん例題の文章には、哲学的文章の断片とか、古典小説の一節など、なんだか浮世離れした文章が多い。

対する本書の例文にもちいられている文章は、ドイツの主要な新聞・雑誌の2010年代の紙面・誌面からピックアップされた、経済、ドイツ政治、外交、環境、日独関係など、特定のテーマを扱った論説文です。

中級といっても、かぎりなく上級にちかい歯ごたえのあるまとまった文章がそろっている。

本書をやりつくしたあかつきには、ドイツの新聞・雑誌の固ーい記事が、苦もなく読めるようになっているでしょう。

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伊藤光彦氏の時事ドイツ語シリーズ
・『新聞のドイツ語』（1987）
・『現代ドイツを新聞で読む』（1992）
・『ドイツ語情報世界を読む―新聞からインターネットまで』（2001）