ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 (講談社現代新書) の感想
参照データ
タイトル | ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 (講談社現代新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 円谷 英明 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062882156 |
カテゴリ | ジャンル別 » エンターテイメント » 映画 » 特殊撮影 |
購入者の感想
2007年のTYOによる買収によって長年続いた創業者・円谷一族の経営が終わった円谷プロ。その後、公の場での創業者一族からの発言というのはおそらくこの書籍が初めてなのかな?と思います。円谷プロは記念すべき創業50周年、現在の円谷プロに対する「負け惜しみ」的発言に終始するのかな?と思いきや、過去の放漫経営に対する検証と反省が綴られています。
円谷プロ創業と時を同じくして、映画スターや映画監督らがやはりこうした独立プロダクションというものを設立しています。石原裕次郎の「石原プロ」三船敏郎の「三船プロ」木下恵介の「木下恵介プロ」などなど。映画は観客動員の低下が著しく、こうした高額のギャラが発生するスターや大物監督の独立は痛手に見えて実は渡りに船、だったようです。映画製作という一番お金も手間もかかる部分をこうした下請け業者に投げて、配給や興行に特化した大手映画会社は現在も優良企業として生き残っています。旗揚げは華々しかったもののの次第に高騰する制作費が経営を圧迫し、多くの独立プロは倒産、現存する独立プロも多くは映像制作を行っていません。
そんな中で円谷プロが曲がりなりにも生き残っているのは「ウルトラマンシリーズ」という強力なコンテンツを所有していることが大きいのは間違いありません。しかし結局はそのウルトラマン利権をあてにして自らがそれを食いつぶし、そして食いつぶされた、ということでしょうか?
著者の英明氏は円谷プロ退職後も新たな会社を立ち上げ中国での映像制作を手がけましたが、モノにならず、自身の財産も失ってしまったようです。現在の仕事についても触れられていますが過去のキャリアを活かせる仕事ではない様子に寂しさを感じます。
円谷プロ創業と時を同じくして、映画スターや映画監督らがやはりこうした独立プロダクションというものを設立しています。石原裕次郎の「石原プロ」三船敏郎の「三船プロ」木下恵介の「木下恵介プロ」などなど。映画は観客動員の低下が著しく、こうした高額のギャラが発生するスターや大物監督の独立は痛手に見えて実は渡りに船、だったようです。映画製作という一番お金も手間もかかる部分をこうした下請け業者に投げて、配給や興行に特化した大手映画会社は現在も優良企業として生き残っています。旗揚げは華々しかったもののの次第に高騰する制作費が経営を圧迫し、多くの独立プロは倒産、現存する独立プロも多くは映像制作を行っていません。
そんな中で円谷プロが曲がりなりにも生き残っているのは「ウルトラマンシリーズ」という強力なコンテンツを所有していることが大きいのは間違いありません。しかし結局はそのウルトラマン利権をあてにして自らがそれを食いつぶし、そして食いつぶされた、ということでしょうか?
著者の英明氏は円谷プロ退職後も新たな会社を立ち上げ中国での映像制作を手がけましたが、モノにならず、自身の財産も失ってしまったようです。現在の仕事についても触れられていますが過去のキャリアを活かせる仕事ではない様子に寂しさを感じます。