The Lilac Bus の感想

時々　英語の本を読みたくなるんである。常時原書を読み飛ばす英語力は無い。
そんな私には連作中短編集が手ごろな読み物である。
ライラックバスとダブリンとに分けられた短編集。
ライラックバスの方は　週一回　街から村へ同じメンバーを運ぶバスの乗客たちの
それぞれの事情が物語になっている。
吝嗇で頑なな感じの娘は１人暮らしの母の元へ
不倫相手に騙されていることを認めたくない娘は　両親が週末の夜を過ごすゴルフ場の
クラブハウス近くで必ず下車する
働きすぎの看護婦にも悩ましい存在の母が居る
老父と弟夫婦一家の住む家に　帰る守衛
バスの運転手にもお話はある
愛してるか疎ましいか判然としなくなっている自分達の家族の居る村に　戻ってくるのは何故？
古い石造りの建物の並ぶ街を出て起伏のある丘陵を縫って行く道
まるで　景色は違うのに　この悩ましさ　やるせなさは　私や誰かが毎日感じているものと
なんて似ているんだろう
外国の話じゃないみたいである。
共感度は高い。だから読みやすい。中高年の英語埃払いには　お勧めかもと思います。