腸内細菌と共に生きる ---免疫力を高める腸の中の居候--- の感想

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参照データ

タイトル腸内細菌と共に生きる ---免疫力を高める腸の中の居候---
発売日販売日未定
製作者藤田 紘一郎
販売元技術評論社
JANコード9784774171173
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 微生物学

購入者の感想

「人間の健康状態を決める」と言っても言い過ぎでないほど、健康状態に支配的な影響を持つことが分かってきた「腸内細菌」について、日本の第一人者である著者が平易な文章と親しみやすいイラストで分かりやすく説明してくれる。

私は我が子のアトピーの原因を探る中で、海外の著者による「寄生虫なき病」(2013年発売)という本で寄生虫や腸内細菌が免疫性疾患に大きく関係していることを知り、「ついに答えに辿り着いた!」と思っていたが、この著者はその遥か以前から、医学界と世間の冷たい目に耐えながら地道に研究を続け、とうの昔に同様の結論に辿り着いていたことを知り、畏敬の念を抱いた。

腸内細菌や寄生虫を知り尽くしているだけに、その語り口には力みがなく、優しく子供に説明するような平易な言葉で目から鱗が落ちるような情報を次々に提示してくれる。
例えば
・人類は細胞内(ミトコンドリア)や体内に生物としての大先輩である細菌を取り入れることで消化や免疫をうまくやって行く方法を選んだ。
・人間の体内に共生している細菌は、宿主の中でしか生きられないため、基本的に宿主のためになる行動しかしない。
・腸内細菌が豊富にいれば、悪い菌が入ってきても撃退してくれる。
・寄生虫はIgE抗体に弱いのでアレルギー反応を抑える働きをする。寄生虫を駆除したことがアレルギー患者が激増した原因。
・SARSウイルスやエボラ出血熱ウイルスは他の動物の体内で共生しており、そこでは何の害も及ぼさない。人間が他の動物の生活圏に侵入したことが問題。
・ハエがウンチを分解する菌を運んでくる(無駄な生物はいない。すべては共生)。
・セロトニンやドーパミンなどの脳内物質は腸で作られ脳に送られており、腸内細菌の状態がメンタルにもおおきな影響を及ぼしている。
・若いうちは生殖のために糖質(炭水化物)が多く必要だが、年を取ると炭水化物はあまり必要がなくなりタンパク質や脂質を採った方がよい。
・生物の性質を左右するものの中で遺伝子で決まる部分はごくわずかであり、ほとんどは後天的に決まる(エピジェネティクス)
などなど。

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