知識創造企業 の感想

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タイトル知識創造企業
発売日販売日未定
製作者野中 郁次郎
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492520819
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » マネジメント・人材管理

知識創造企業 とは

   一般に、日本企業は多くの欧米人から見ると非常にわかりにくい存在であるといわれている。それは、非常に効率的というわけではないし、企業家精神に富んでいるのでもない。また、自由奔放でもない。それなのに国際市場のなかで着実に力をつけ、国際競争力を高めてきている。

   なぜ、日本企業は成功したのだろうか。本書はそんな疑問に明確な答えを与えている。端的に言えば、「組織的知識創造」の技能・技術によって日本企業は国際社会のなかで成功してきたと指摘しているのだ。では、「組織的知識創造」とは何か。それは、新しい知識を作り出し、それを組織全体に広め、製品やサービス、あるいは業務システムに具体化する組織全体の能力のことであり、その根本における重要な要素は、組織の最も普遍的な要素である「人間知」というわけである。「人間知」はギリシャ古代以来、常に認識論(知識論)の中心となる課題であった。ここ数年、社会経済学者のピーター・ドラッカーやアルビン・トフラーが、経営資源やパワーとしての知識の重要性を訴えているが、本書では、「人間知」を2種類に分けている。1つは「形式知」と呼ばれるもので、文法にのっとった文章や数字的表現、技術仕様、マニュアルなどに見られる形式言語によって表現されるものである。もう1つは、これが組織的知識想像のなかで最も重要なファクターなのだが、「暗黙知」と言われる形式言語では表現できない知識である。これは、人間の集団行動にとってきわめて重要な要素であると著者は指摘する。暗黙知とは、人間ひとりひとりの体験に基づく個人的な知識であり、信念、ものの見方、直観、価値システムといった無形の要素を含んだものである。

   しかし、きわめて重要な要素であったにもかかわらず、経営資源のなかで暗黙知はこれまで無視されてきた。だが、この形式知と暗黙知が相互作用することこそが企業の知識創造のキーポイントであり、組織的知識創造とは、この2つの知の相互作用によるスパイラル・プロセスである。個人の知識と組織全体とは相互に作用しあうことが重要であり、そうすることによって新しいイノベーションの開発につながり、競争優位に立つことができる。それこそが短期間に日本企業が国際社会のなかで成功した要因なのである。

   本書は、日本を代表する自動車や家電メーカーなどがなぜ国際社会のなかで成功したのかを「知識」という側面から分析し、企業組織における知識の捉え方や考え方を根本的に変更するよう求めている。そして、企業組織による知識創造こそが日本企業の国際競争力の最も重要な源泉であるとする本書は、長引く不況にあえぐ企業経営者やビジネスマンに、日本的経営の良さを改めて感じさせてくれるものである。(辻 秀雄)

購入者の感想

個人の中で知識や情報はどうやって生むか、個人の知識が会社内で集団化し、集団から組織へ展開され、形式知となり、いま一度、組織から個人へ内面化する、動的な知識創造のプロセスが紹介理論化されている。経営に貢献する暗黙知、形式知のダイナミックな生成プロセスが理論化されている(フッサールの現象学からの発展学習、東洋的な知の姿として主客未分化、対象と一体化した経営など西洋一辺倒でないところが読みやすい、(本書と姉妹書籍の「知識創造の方法論」と併読すると効果が倍増どころか3倍増5倍増・・・)。姉妹書籍には知的複眼的思考法がノートの形で紹介されたり、収穫あること間違いない。本書はベストセラーになり日本的経営の本質の一端を理論化したワールドワイドな啓蒙書である。
20年以上前に発刊された本書はいまはやりの知識経営のオリジンである、前書きには組織的知識創造について著者らは本書発刊1996年の12年前から着想していたとのことである。 本物の経営戦略本といえる
「クラフト(経験)」「アート」「サイエンス」の3つのブレンドであるとした。戦略の構想と実行においては「何を成し遂げたいか」という個人の信念とコミットメントが重要でありながら、昨今の日本企業は欧米流の経営モデルへの過剰適応から、論理分析過多、経営計画過多、コンプライアンス過多に陥り、その創造力や活力を失っ

久しぶりに読み直して頭の整理ができた。
本書のメインテーマである知的創造に関する考察や事例も面白いが、
哲学・経済学・経営学が知識をどのように取り扱ってきたかを俯瞰した第二章は勉強になる。
フッサールとかハイデカーとか、昔よくわからないまま読み捨てた本をもう一度読んでみようという気になった。
もちろん三章以降も良質な経営論としておすすめです。0

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