The Price of Inequality の感想

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参照データ

タイトルThe Price of Inequality
発売日販売日未定
製作者Joseph Stiglitz
販売元Allen Lane
JANコード9781846146930
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

購入者の感想

 昨年の Wall街占拠運動で参加者が「我々99%を収奪して上層1%が稼いでいる」と強烈に抗議した。その1%対99%の経済理論の元祖である筆者が2012年6月に分厚い新著を出した。2001年のNobel経済賞受賞者で、Columbia大学教授だ。世界銀行のSenior VPだったが方針を批判してクビになったともいう。徹底した体制批判の反逆者だ。こういう経済理論は、浅学にして初めて接した。

 昔は不況時には労働者が余って会社の売上対比で労賃の割合が上昇したものだが、今は労働組合組織率が1割に落ち込み労働者の発言力が低下したため簡単にクビを切られ、今回の金融危機では労賃の割合が低下したという。また銀行トップは、業績が良い時にはIncentive Payで高給を食み、業績悪化の際には国民からの税金で公的資金注入を受けつつ、Retention Pay=退職防止給と改名した高給を貰っていると、収奪構造を解説する。

 こうなったのは共和党政権、特にReagan大統領(1981-9)の政策からで、Trickle-Down理論と言って上層が豊かになればその富が「滴り落ち」て全国民が豊かになるということだったが、実際のデータはそうなっておらず、上層が下層を収奪して益々格差が広がるばかりだという。今や米国はAmerican Dreamの国ではなくなった、99%がHappyでない国は発展しない、と警告し、累進課税をCarter大統領時代に戻すなど数十項目の対策を提案している。

 同じような話が何度も出て来るなど、熱情が先に立って整理・組立が充分でないきらいもあるが、大冊にも拘わらず平易な英語で外国人にも読み易い本だ。なお私はeBookで読んだ。

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