フィギュアスケートマガジン シーズン総決算号: B・Bムック (B・B MOOK 1191) の感想

　全ての選手に対して来期へ背中を押す前向きな暖かい記事が掲載されています。ファンの気持ちを代弁してくれているようで嬉しくなりました。ピンナップポスターは2枚！羽生選手ファントム＆パリ散。裏面には4月神戸の高橋選手とオフアイスの小塚選手です。他にも素敵な写真が沢山掲載されていますが、思った以上に活字成分が多いです。しかし、前述のように選手に対するリスペクトを随所に感じる記事内容が嬉しくて一気に読めました。
　羽生選手の記事は世選ドキュメントから始まります。正直単独インタビューが難しい中、合同記者会見等の羽生選手の発言は他紙で既に何回も取り上げられています。しかし、選手と同じ場で表情を感じ取りながらどこを切り取り選手の発言の間にどのような言葉を挟み込んでいくか、記者の力量で「こんなにも記事の印象が違うのか」と驚きさえ感じました。どうしても羽生選手に聞きたかった「休むという選択肢は無かったのか」という問い。しかし、羽生選手の会見を聞いて、試合に出続けた理由が腑に落ち、そのとき記者が覚えた感動をそのまま言葉にしてくれています。羽生選手の言葉に照れるハビ選手の様子や日本語で羽生選手に「突っ込み」を入れた話なども、現場にいたからこそ知り得たシーン。また、国別の記事では、「無理に作ったのではなく自然で快活な」羽生選手の笑顔を見て「代々木に、国別に、羽生結弦の姿があって本当に良かった」と書かれていて心が温かくなりました。一方でスポーツ専門誌の編集らしく羽生選手の今期の全プロトコルを掲載しプログラムの難易度を分析した硬派の記事もあります。