HEAT20設計ガイドブック の感想

フルカラーで写真や図表も豊富。しかも図表もいい加減な手書きではなく、ちゃんと気流や熱の流れをシミュレーションした結果が載っている。しかも専門家でなくても、図や写真を目で追っていくだけで内容が視覚的に把握できるようになっているのは感動的ですらある。このサイズ・ページ数と質でフルカラー仕上げにしては、格安と言える。
一方で統計等の様々な関連データや、専門的な計算を行うためのダイヤグラムや数式等、専門家が欲するであろう資料もたくさん載っている。住む側、建てる側、どちらにもお勧めできる良書である。

重箱の隅だが、幾つか難点も目に付いた。(1)誤植がやや多い。(2)キャプションの間違い(P84)。(3)太陽光発電の解説ページなのに、南面に高く成長しそうな植木のある物件の写真(P64)。(3)はあきらめるとして、(1)(2)は重刷での校正に期待したい。というか執筆者の方は早めに入稿しないと編集者の方が可愛そう、という話なのかも知れない（にやにや）。