万葉集と日本人読み継がれる千二百年の歴史 (角川選書) の感想
参照データ
タイトル | 万葉集と日本人読み継がれる千二百年の歴史 (角川選書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小川 靖彦 |
販売元 | KADOKAWA/角川学芸出版 |
JANコード | 9784047035393 |
カテゴリ | 古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 万葉集 |
購入者の感想
今日の読売新聞に上野誠さんが”以上は、万葉学の「いろは」の「い」なのだが、そういう基礎を語る時にこそ、学力や見識がわかるから怖いのだ”分かり易い上にこの上なく正確なのだ”と書かれていました。
万葉学史についての詳細な研究である『萬葉学史の研究』の著者の著書なので正確さは当然として、この本の魅力は万葉集という歌集が、どの時代にとっても読まなければならない作品として意識され、各時代の人々がこの歌集に触発される様子がいきいきと描かれていることではないでしょうか。
具体的な証拠を掲げて、紫式部が読んでいた万葉集は、同時代の女性たちが読んでいた仮名による抄出本ではなく、漢字本文の万葉集の原点を読んでいた、という衝撃的な記述もあります。清少納言のことを、よくも知らないことを知ったかぶりで書き散らして、という悪口を言っていた紫式部ですが、やはりその教養は時代に抜きん出ていたのだと納得しました。
太平洋戦争の時に若い世代を中心に万葉集がバイブルのようになっていった、このあたりについても更なる研究の成果を知りたいところです。
万葉学史についての詳細な研究である『萬葉学史の研究』の著者の著書なので正確さは当然として、この本の魅力は万葉集という歌集が、どの時代にとっても読まなければならない作品として意識され、各時代の人々がこの歌集に触発される様子がいきいきと描かれていることではないでしょうか。
具体的な証拠を掲げて、紫式部が読んでいた万葉集は、同時代の女性たちが読んでいた仮名による抄出本ではなく、漢字本文の万葉集の原点を読んでいた、という衝撃的な記述もあります。清少納言のことを、よくも知らないことを知ったかぶりで書き散らして、という悪口を言っていた紫式部ですが、やはりその教養は時代に抜きん出ていたのだと納得しました。
太平洋戦争の時に若い世代を中心に万葉集がバイブルのようになっていった、このあたりについても更なる研究の成果を知りたいところです。