魂の殺害者―教育における愛という名の迫害 の感想

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参照データ

タイトル魂の殺害者―教育における愛という名の迫害
発売日販売日未定
製作者モートン シャッツマン
販売元草思社
JANコード9784794205704
カテゴリ文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » ドイツ文学

購入者の感想

 この「魂の殺害者」は「回想録」で有名なシュレーバー控訴院長(民事部裁判長)の「パラノイア」発病の原因が、フロイトもその時代精神に囚われるあまり気付かなかったけれども、高名なシュレーバーの父であるシュレーバー医学博士の教育によるものであることを説いたものです。
 ラジオ体操などの原型はシュレーバー博士ということですし、彼の教育への影響はドイツを遠く離れた日本においてさえまだ色濃く残っています。
 博士はキリスト教精神に基づき、美しい国家を作るために、家庭内の父親の権威を絶対なものとみなし、子どもへの愛から、親への絶対的な服従を強いることを勧め、さらにその服従が受け身のものではなく自らの意思で行っていると感じるようにしつけることを勧め(つまり服従をしていることを感じることを抑圧され)ています。つまり、親から愛情を起源にして、迫害・虐待を受けながら、子どもはそれを迫害と感じること自体を抑圧され、さらに抑圧されていること自体をよく札されるのです。
 その結果、シュレーバー博士の子どもは一人は(シュレーバー控訴院長の兄)自殺し、シュレーバー控訴院長は発狂し、女性の子供のひとりはうつ病になります。
 
 先日観た、映画「アヒルの子」の家庭がまさにこれでした。親は、「どこの親が子供をあいしていないかね?愛しているから、親がつらく思っても、子どもに厳しい教育をするんだがね?(方言はいいかげんです)」と、愛情による迫害を続けるのです。
 しかし、こういう家庭が特殊ではないというところがむしろ問題なのです。
 愛という名の迫害をきちんと啓蒙しなくてはいけないと思います。

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