アル中ワンダーランド の感想

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参照データ

タイトルアル中ワンダーランド
発売日販売日未定
製作者まんしゅうきつこ
販売元扶桑社
JANコード9784594072469
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 現在私はこの病気にかかり入院・通院とAA(断酒会)への出席を通じて治療中です。アルコール依存症については一般的にまだ誤解も多く、いわゆる昔のアル中(今のアルコール依存症と意味は同じ)のイメージ=とにかく酒が好きでこれがないと何もできない、意志の弱い社会不適合者という印象があります。最近はっきりしてきたことですが実際のこの病気は「進行性の脳障害」といえるもので、ある時点から飲酒のコントロールができなくなり、飲まないことができなくなってしまう。また一定期間酒を我慢していても、一杯でも飲酒すると元の木阿弥になる(前よりもひどくなる)。単なる酒好きや大酒のみとは全く異なるのです。酒を飲んでのエピソード(「アル中ギャグ」と作者は言われたいようですが)はいわば、頭が壊れた状態での行動なので、がんでいえば「がん細胞の増殖期」であり決して「酔っぱらいの笑い話」ではすまされない内容です。作者は面白い(ウケるネタ)のつもりでずいぶんページを費やしていますが、とくに漫画にする様なことなのかと思いました。この辺は編集の責任でしょうが、この本を買ったかなりの人ががっかりするのはこの点だと思います。

 また、アルコール依存症は本人よりも周りの人をさんざんに巻き込んでしまうのが大きな特徴です。作者は夫と子どもと離れ、実家に戻っているとのことですが、本書によると「旦那はいい意味で無関心で、私が酩酊しても『ちょっと飲み過ぎじゃな~い?』というくらいで、ほぼ反応ゼロでした。(中略)『家事が行き届いていない』と指摘され、わざわざ姑と舅を家に呼んでまで我が家の散らかり具合を見せたときはさすがに殺意をおぼえましたが(24P)」

まんしゅうさんがブログ「オリモノわんだーらんど」を更新していた当時、毎回楽しみに読んでいました。
ひとつひとつのエピソードがとても濃くて、笑えて、
でも、家族との距離感や社会生活になかなか馴染んでいけない悩みなど、ときどき見え隠れする影もあり。
当時は周辺の友だちに「すごくおもしろいブログがあるよ!」と吹聴して回っていました。
特に好きなのは「脚フェチバイト」と「有名漫画家M先生のアシスタント」の回でした。

あるときブログの更新がパタッと途絶えて、
「どうしたのかな、あれだけ濃い作品を提供し続けるってやっぱり大変なんだろうな」と思っていたら、
イラストが一枚と、あとは文章のみ続く「君の瞳に恋してる」の回でブログ更新終了のお知らせ。

ショックで頭の中が真っ白になり、この穴を何で埋めよう…と落ち込んだ覚えがあります。

それから2年近く経ってこの「アル中ワンダーランド」刊行。
もう、もう、飛び上がるほどうれしかったです。
まんしゅうさんと扶桑社担当編集者さんにまずは御礼が言いたいです!
この作品を世に出してくださって、ありがとうございます。

* * * * *

前置きが長くなりましたが、この著書は社会生活を送る大人の方々に必ずや刺さります。
大人のすべてが何かしら依存しているものがあると思いますが、
まんしゅうさんの場合、それがお酒だったんですね。
自分が楽しんで読んでいたブログの背景にはこういった苦悩があったことを噛み締めながら読んでいると、
マンガの各話に掲載されているコラムにズドーーーンと頭打たれます。

「人生はいつ、何が起こるかわかりません。だから人生は楽しくて、茨の道です。」
「『死にたい』けど、死んだら人に迷惑かけちゃうから『生きたい』。
『生きたい』けど、生きてても人に迷惑かけちゃうから『死にたい』。その無限ループです。」
「お金以上に、私は『人生の指名』がほしい。」

実弟さんであるフォトグラファーのやっちゃんが、

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