ニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44 の感想

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参照データ

タイトルニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44
発売日2014-05-13
製作者池上 彰
販売元文藝春秋
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

タイトルは「ニッポンの大問題」ですが、「外国の問題」についても分かり易く解説されています。「広く浅く」ではなく、「広くそこそこ深く」述べられている点も有り難いです。池上流の切り口で、2013年のニュースを面白く読ませてくれます。

一番勉強になった箇所は、イランの対米関係やシリア内戦から見える国際関係です。(P206〜212)
アメリカが対イラン関係改善に動くとイスラエルが激怒する。アメリカとイスラエルは親密関係で、イランとイスラエルは敵対しています。またアメリカはシリア(アサド政権)を攻撃しようとしていますが、イランはアサド政権を全面的に支援しているため、もし攻撃されたら、イスラエルを攻撃すると宣言しています。身の回りの複雑な人間関係を見ているようです。

世界第2位のアパレル大国、バングラデシュ(P252〜258)も印象的です。
国際競争力の源泉は人件費の安さです。その安さを求めて、台湾や韓国→中国→ベトナム→カンボジア→ミャンマー→バングラデシュに至りました。しかし、やがて労働者の意識は高まり、バングラデシュでも人件費は上昇します。「ファストファッション」と呼ばれる安い衣料品の価格競争は、そろそろ限界かもしれません。(P258)
アパレル業に限らず多くの業種は安い人件費を求めて、発展途上国へ進出していますが、搾取先がなくなってきています。資本主義もそろそろ限界に近づいてきているのではないでしょうか。

最後は、ブータン「幸せの国」から「普通の国」に、で締めくくられています。ブータンも「普通の国」と同様に消費社会の国になりました。パンドラの箱を開けてしまった今日、ブータンは「幸せの国」で居続けられるでしょうか…。

この本は解説が分かり易いだけではなく、各問題について考える余地を与えてくれる良書です。

最近のニュースについて知りたくて購入しました。文章は読みやすく、内容も分かりやすかったです。個人的には、本書を読んでそこそこ勉強になったので、☆3つの評価です。

本書は、池上彰さんが週刊文春で連載しているコラム「池上彰のそこからですか!?」のうち、2013年2月21日〜2014年1月30日の部分を加筆・修正してまとめたものです。

<本書の大まかな内容>
本書では、主に2013年に起きた国内外のニュースについて解説されています。たとえば、国内ニュースに関しては、安倍政権の問題点・東京オリンピック・原発などの話が書いてあります。海外ニュースに関しては、中国・アメリカ・北朝鮮・イラン・シリアなどの話が書いてあります。ニュースの数は全部で44コあり、1つのニュースに対してだいたい5ページくらいの解説が加えられています。薄く広い解説なので、最近のニュースについてザッとおさらいしたいという方にはオススメです。一方で、特定のニュースについてじっくり知りたいという方には物足りないと思います。

ちなみに、ロシアのクリミア編入については解説されていません。

<本書を読んで勉強になった点>
原発の汚染水問題について
原発の汚染水には2種類あります。ひとつは、原子炉内の核燃料を冷やすために使われた水が汚染される場合で、もうひとつは、地下水が原発の建屋内に流れ込んで汚染される場合です。発生した汚染水には、63種類の放射性物質が含まれています。
政府は、汚染水を浄化する装置として「アルプス」を導入しました。開発したのは東芝です。この装置を使うと、63種類の物質のうち、62種類を除去できます。残りの1種類はトリチウムという物質なのですが、「この物質が出す放射線は非常に弱く、体を通過しないうえ、体内に取り込まれても、蓄積されずに尿と一緒に排泄される」(p83)と書いてあります。つまり、アルプスを使うと、汚染水を人体に影響がないレベルにまで浄化できるということです。そのため、汚染水を浄化した後は、薄めて海に放出してもいいのではないかという専門家の意見もあります。

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