古墳の地図帳 古代史めぐりの旅がもっと楽しくなる! (タツミムック) の感想

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全国の古墳1,000基が、25.6 x 18.2 ×160頁の限られたスペースに一応は網羅されている。しかしながら、やはり１冊にすべてを収めるには無理があった。たとえば、多数の大型古墳を配し、前方後円墳発祥の地である奈良県のコーナーですら、大和古墳群２頁、柳本古墳群１頁、纏向古墳群１頁、馬見古墳群２頁、佐紀盾列古墳群２頁でしかなく、写真も上空からの全体写真（モノクロ）がほとんどで記述内容もお寒い。また、「地図帳」と銘打ちながら、肝心の地図がまるで役に立たない“概略図”でしかなく、先述の馬見古墳北群を代表する大型前方後円墳である「川合大塚山古墳」（国史跡)の位置が地図上に示されていないなど、かなり大雑把な編集となっている。これまでにない優れた企画であり、もし改定再版の機会があるのなら、｢東日本｣｢近畿｣｢西日本｣に分けた３部程度の構成が望ましい。なお、P127「青谷上寺地遺跡」の記事の見出しで、“地”が脱字であることを指摘しておく。