教育改革の動向と学校図書館 の感想

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参照データ

タイトル教育改革の動向と学校図書館
発売日販売日未定
製作者坂田仰
販売元八千代出版
JANコード9784842915708
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 図書館

購入者の感想

 学校図書館,司書教諭に関わる書籍には、公共図書館、司書をベースにして論じたものが多い。しかしそれが、一般教員が読み違和感を抱く原因の一つになっているように思う。その点本書は、従来型の学校図書館信奉者からは反発を呼びそうだが、一般教員の視点から見た学校現場を出発点にし、学校図書館をあくまでも学校教育のための従属物として位置づけようとしている点がおもしろい。
 特に、公共図書館と学校図書館の距離について論じた最終章は圧巻である。図書館の自由、利用者の秘密、選書におけるリクエスト主義といった公共図書館の常識を、無批判に学校図書館へ応用しようとする一部の風潮に対して、学校教育の本質という視点から痛烈に批判している。学校現場、一般教員に根ざした学校図書館運営を模索しようとする姿勢にある種の清々しさを感じる。
 かつてレーンキスト合衆国最高裁判所長官は、ある判決の中で、初等・中等学校の図書館は、大学図書館や公共図書館とは異なり、利用者が完全に自由な探求を行うために設計された場所ではなく、カリキュラムと同様、児童・生徒に基本的なスキルや考え方を教えるために調整された存在だと述べている。執筆者によって温度差はあるものの、公共図書館類似の学校図書館運営論と一線を画そうとする本書の姿勢は、これまでの学校図書館論に違和感を抱く多くの読者に新しい刺激を与えてくれると思う。

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八千代出版から発売された坂田仰の教育改革の動向と学校図書館(JAN:9784842915708)の感想と評価
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