みんなの少年探偵団 (一般書) の感想

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参照データ

タイトルみんなの少年探偵団 (一般書)
発売日販売日未定
製作者万城目 学
販売元ポプラ社
JANコード9784591141717
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

万城目学、湊かなえ、小路幸也、向井湘吾、藤谷治の五人による、乱歩世界へのオマージュ。

忠実なパスティーシュものかなと思ったら、それぞれに趣向や突っ込む角度が違って、かえって乱歩とは何かが浮き彫りにされた気がします。

双子や謎の老人、台座に隠された宝石という、一番、乱歩のおどろおどろしく妖しい世界に近いのが万城目。(オープニングとして設定にも深い意味あり)
少女探偵団という祖母の思い出をもちこんだ湊かなえ。少女小説の系譜をたどって、春風のような新鮮さでした。
謎の吸血鬼事件の小路幸也、そして二十代前半で一番若い向井による、まるで星新一のショートショートのような「指数犬」。
藤谷の、六十年代特撮ヒーローもののような、どんでん返しつきの明智対二十面相。

 全体を通して、特に小林少年の造型に気持ちが揺れました。湊作品の優しいお兄さん、小路作品の素敵な美中年、向井作品の、探偵の一番弟子で頭の切れるヒーロー。

 今後続編として藤谷が一冊を書く『全員少年探偵団』も楽しみで、シリーズ、この先どんどん出てくるかもしれません。
 改めて、乱歩を読み直したくなるシャープな好企画です。

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