不眠症〈上〉 (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | 不眠症〈上〉 (文春文庫) |
発売日 | 2011-10-07 |
製作者 | スティーヴン キング |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167705978 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
いつもながらのステレオタイプの人物、いかにも一般受けしそうな俗っぽいストーリー、アニメ好きには既視感ありありのハイパーリアリティ描写、童話みたいなナイーブすぎる「悪」の姿、ありきたりの涙を誘うラスト--これらすべてが事実であるにもかかわらず、何故こんなに読ませてしまうのか。
娯楽小説を読み慣れているすれっからしの読者をキングがせせら笑っているような気がします。いや、きっとキングは大まじめなのでしょうかつてみずからをグリーンジャイアントに喩えたエンターテインメントの巨人が、新規性も恐怖もない娯楽としか言いようのない作品を、これでもかというほど丹念に、きっちり細部を詰めて書いたのが本書です。
ダレない、というよりは加速のリスムが狂わない。どうでもいいような描写に伏線がある気がして読み飛ばせない。こんなに分厚い2分冊なのに、少しは刈り込んだら、なんて考える余地はない。
読む娯楽というのはこういうものだというものを、キングは今更ながらにいやというほど見せてくれます。面白さよりはうまさのほうを強く感じるきらいはあるとはいえ、このうまさに舌を巻かずにはいられません。数時間分の楽しみとしては十分すぎる作品だと思います。
娯楽小説を読み慣れているすれっからしの読者をキングがせせら笑っているような気がします。いや、きっとキングは大まじめなのでしょうかつてみずからをグリーンジャイアントに喩えたエンターテインメントの巨人が、新規性も恐怖もない娯楽としか言いようのない作品を、これでもかというほど丹念に、きっちり細部を詰めて書いたのが本書です。
ダレない、というよりは加速のリスムが狂わない。どうでもいいような描写に伏線がある気がして読み飛ばせない。こんなに分厚い2分冊なのに、少しは刈り込んだら、なんて考える余地はない。
読む娯楽というのはこういうものだというものを、キングは今更ながらにいやというほど見せてくれます。面白さよりはうまさのほうを強く感じるきらいはあるとはいえ、このうまさに舌を巻かずにはいられません。数時間分の楽しみとしては十分すぎる作品だと思います。