プロレスの星 アステカイザー MUSIC COLLECTION の感想

2013年に亡くなられた作曲家・津島利章さん。

主に東映作品を中心に活躍された方ですが特撮物に関しては60年代に『怪竜大決戦』『ガンマー第3号 宇宙大作戦』を手掛けたのみで東映特撮に縁がありませんでした。

特撮物向きの明瞭なメロディー、アクション系の曲を得意とした津島さんですが東映特撮にはやや似た作風の菊池俊輔さんが存在したからかも知れません。

70年代はむしろ東宝、円谷プロの特撮物を手掛けられていてそんな中の一本がこの『プロレスの星 アステカイザー』です。

改めて聴いてみますと平和描写の曲は子供番組に相応しく明朗快活なのですがアクション曲では野蛮とさえ思える程ドスの利いたフレーズで危機感、緊迫感を煽る辺り、さすが『仁義なき戦い』の津島さんだと唸らされます。

ブックレットには本作プロデューサーの円谷あきらさんへのインタビューと生前に津島さんが円谷プロ作品の思い出を書かれたエッセイを掲載。エッセイは短いながらも本作に愛着があった様子が伺え嬉しくなります。

アステカイザーの音楽は同じ津島さん担当作の『恐竜大戦争アイゼンボーグ』にて流用された他『恐竜戦隊コセイドン』(音楽・横山菁児)でもトラック8のM4やトラック57のM7がコセイダーの戦闘シーンで印象的に流用されていました。 両作のファンの方もマスト・バイなアイテムですよ。オススメ!

この番組の魅力の半分はあのヘタウマなアニメと
（味がある…という）、残りの半分は、
山本昌平さん演じるサタン・デモン様に尽きる。

ワルなのに、どこかフレンドリー。
文字通り血の涙を流す彼・・・。
彼なくしてこの番組は語れまい。

そんなサタン・デモン様の暗躍を彩った、
ＢＧＭの数々が単独音盤として初登場！。
（伝説となった円谷15枚組に一部収録されてはいるが…）。
音楽を担当されたのは
「仁義なき戦い」などを手掛けた、津島利章先生。

そう言われて聞くと、千葉真一さんが
ボリボリと股間をまさぐりながらかけてきそうな雰囲気が。

解説書には、主演を務めた島村美輝さんの
インタビューは…ない。
これは発売中のＤＶＤに映像特典として収められている。
こちらにもなにか一言欲しかったところ。

サタン・デモン様が、
主演俳優よりも大きな扱いのこのＣＤ、
まさに「ジャケ買い」して一点の悔いなし！。