暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator) の感想

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参照データ

タイトル暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)
発売日販売日未定
製作者國分 功一郎
販売元太田出版
JANコード9784778314378
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学

購入者の感想

編集者に勧められたという大学生向けの語り口(たとえば、あえて「おれ」という一人称)。また冗長な書き方で、論点が繰り返されている。むやみに論点からはずれて、議論なしに名だたる哲学者に噛みついている箇所が散見される。とはいえ、いろいろ面白いトピックが見つかり、自分の生活を見直してみるよい機会になるかもしれない。

一章 ラッセル  「ヨーロッパの若者は不幸である→(処方)いろいろなものに興味・熱意をもて」
   パスカル  「人間の不幸は部屋にじっとしていられないことから始まる→(処方)信仰なき人間のみじめさ」
   スヴェンセン「(処方)ロマン主義的気持ち(みなと同じは嫌、生の意味は自分で探せ)を捨て去るべし」
   著者は一応これらをけちょんけちょんにする。

二章 進化論的に(これは暗に信仰とか超越の方向を否定している)定住化が退屈を生み出したといういきさつ
   →周辺探査能力を十分つかえずに持て余す。(この章はあまり面白味はない)
   これの生理学的分析は付録「傷と運命」を見よ

三章 余暇と労働の関係(ヴェブレン、モリス、ラファルグ等)フォーディズムにおける管理された余暇が目玉か(?)
   貴族が閑暇を見せびらかしていたという点に、著者は本作における提言のヒントを見ている。

四章 ボードリヤール「消費と浪費」の違い(『消費社会の神話と構造』)。
   消費は単に差異が消費されるだけ。浪費には満足がある
  (この浪費の概念は著者の主要論点になる)。
   映画『ファイトクラブ』をとおして、現代の消費社会の満たされなさを分析しているのも出色。
   
   ここまでは面白いが、後半は疎外と結び付けられてきた本来性の概念は切り離せるという議論
   (ルソー、ホッブス、ヘーゲル、テンニース、パッペンハイム、アーレント等)で、
   何人かの人に噛みついているが、疎外と本来性の議論が、それらの人に有効かは疑問。
   疎外と本来性が切り離せるという議論の一本やりだし、

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