定義集 (ちくま哲学の森) の感想

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タイトル定義集 (ちくま哲学の森)
発売日販売日未定
販売元筑摩書房
JANコード9784480300096
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

鶴見俊輔、安野光雅、森毅、井上ひさし、池内紀の五人によって編集されている。とても厚くて重い。
装丁は安野光雅さんで、この一冊の思想の深みを感じさせてくれる見るからに美しい本。
この五人が過去に読んできた膨大な数の本の中から編まれたのだろうと思う。沢山の言葉が幅広く定義されている。
高校生になったばかりの頃に図書館で見つけて、少しずつ大人になっていきながら、新しい経験をする度にこの本を開いてきた。
信頼のおける友達のようだった。「恋」と引いたのは十五歳。「孤独」と引いたのは十八歳。英語の辞書よりも身近にあった。あまりの辛さに「狂気」と引いたのはいくつの時だっただろう。
少しずつ、ひとつずつ、その言葉の定義を実感として理解してきたように思う。
それが例えば「絶望」という言葉でも、この本を開くと私が生きて初めて出会う豊かな世界に違いなかった。体当たりで知ること、学ぶことへの喜びがどこかにあったように思う。もちろんその瞬間にはそんな風に感じられる余裕はなくてただ必死だったのだけれど。
「希望」と引いては泣きじゃくり、退屈して「屁」と引いてくすくす笑ったりした日もあった。いつもこの本を傍にして成長してきた。「男」と「女」を知った。「結婚」と引いて、そこから社会という共同体に初めて目を向けた日もあった。
この一冊が、今も変わらず、生きている、存在していることのあらゆる豊かさと人生の深さを教えてくれる。それがどんなに曖昧で不確かなものなのかも。
今までもこれからも手放せない大切な本です。

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筑摩書房から発売された定義集 (ちくま哲学の森)(JAN:9784480300096)の感想と評価
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