宝石の歴史 (「知の再発見」双書) の感想
参照データ
タイトル | 宝石の歴史 (「知の再発見」双書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | パトリック・ヴォワイヨ |
販売元 | 創元社 |
JANコード | 9784422211879 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 歴史・地理 » 参考図書・白書 |
購入者の感想
そそられるタイトルと美しい表紙に期待します。
しかし、内容は割と薄い感じです。原題は『ダイヤモンドと貴石』、したがって、ダイヤ、エメラルド、ルビー、サファイアの四大貴石以外のものは一切出てきません。宝石の文化的通史が提示されているのではなく、以上4種について、歴史的背景やエピソードが書かれています。紀元前からのダイヤの谷の伝説、17世紀のカリスマ宝石商、タヴェルニエの項目など、面白い話はたくさんあるのですが、情報にムラがあって物足りない。プリニウスとか、項目があってもよさそうなのに、ありません。また、タヴェルニエが行ったのはインドだと繰り返し書いてあるのに、会った相手が「モンゴル皇帝」と書いてあるような、信じられない誤訳があります(他の場所ではムガル帝国に言及されているのに)。
図版は素晴らしいです。中世の絵なども美しいですが、石自体の写真が圧倒的です。カリナンはもちろん、リージェントやコーイヌール、さらにはコルテスが持っていたエメラルド「イザベル女王」、ルイ14世の大サファイアなど、知らなかった大宝石の写真が掲載されていいます。
内容は興味深いけど文章量が少なく、深く掘り下げる域に達していない、一方図版は高レベル、というのは、この「知の再発見」シリーズに共通する特徴でもあると思います。多くを求めずビジュアルを楽しみたいときには良いシリーズです。
しかし、内容は割と薄い感じです。原題は『ダイヤモンドと貴石』、したがって、ダイヤ、エメラルド、ルビー、サファイアの四大貴石以外のものは一切出てきません。宝石の文化的通史が提示されているのではなく、以上4種について、歴史的背景やエピソードが書かれています。紀元前からのダイヤの谷の伝説、17世紀のカリスマ宝石商、タヴェルニエの項目など、面白い話はたくさんあるのですが、情報にムラがあって物足りない。プリニウスとか、項目があってもよさそうなのに、ありません。また、タヴェルニエが行ったのはインドだと繰り返し書いてあるのに、会った相手が「モンゴル皇帝」と書いてあるような、信じられない誤訳があります(他の場所ではムガル帝国に言及されているのに)。
図版は素晴らしいです。中世の絵なども美しいですが、石自体の写真が圧倒的です。カリナンはもちろん、リージェントやコーイヌール、さらにはコルテスが持っていたエメラルド「イザベル女王」、ルイ14世の大サファイアなど、知らなかった大宝石の写真が掲載されていいます。
内容は興味深いけど文章量が少なく、深く掘り下げる域に達していない、一方図版は高レベル、というのは、この「知の再発見」シリーズに共通する特徴でもあると思います。多くを求めずビジュアルを楽しみたいときには良いシリーズです。