朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの (ちくま学芸文庫) の感想
参照データ
タイトル | 朝鮮民族を読み解く―北と南に共通するもの (ちくま学芸文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 古田 博司 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480089038 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
この本を読み始めた序盤、北朝鮮礼賛もののひとつかと思われた。しかしそれは勘違いであり、読み進めていくうちにそれは単に著者の韓国語(朝鮮語)学習のスタートがその地点であっただけで、全体としては朝鮮民族とその文化に関する著者の体験と洞察が記されているものであった。読み終わったあとに感じたのは、これほどの内容の本を知らなかった事に後悔を覚えるほどその指摘の的確さに感心した。
本書は、1995年に新書で発刊された後、文庫化されたものであるがその内容は古さを感じさせず、今の韓国などの行動原理の理解に非常に有益であると感じる。
「ウリ」と「ナム」、(文化的側面としての)「サボタージュ」や「たかり」、「小中華思想」等の記述については、仕事上接した彼らの行動原理を解釈する上で非常に納得できるものであった。彼らの仕事を行う習慣を、今までは漠然とした文化の差異として受け止めつつもその差異に戸惑いを感じていた。しかしこの本によりその背景や彼らの意図(意識)が完全ではないにせよある程度理解することができたように感じた。
巷では「歴史認識」や政治的言説に関して感情的とも言える意見表明が冷静であるべき立場の人からも行われているが、こういった差異を認識しなければ生産的な対応はできないのでは無いかと思う。
本書は、1995年に新書で発刊された後、文庫化されたものであるがその内容は古さを感じさせず、今の韓国などの行動原理の理解に非常に有益であると感じる。
「ウリ」と「ナム」、(文化的側面としての)「サボタージュ」や「たかり」、「小中華思想」等の記述については、仕事上接した彼らの行動原理を解釈する上で非常に納得できるものであった。彼らの仕事を行う習慣を、今までは漠然とした文化の差異として受け止めつつもその差異に戸惑いを感じていた。しかしこの本によりその背景や彼らの意図(意識)が完全ではないにせよある程度理解することができたように感じた。
巷では「歴史認識」や政治的言説に関して感情的とも言える意見表明が冷静であるべき立場の人からも行われているが、こういった差異を認識しなければ生産的な対応はできないのでは無いかと思う。