世界音痴 の感想
参照データ
タイトル | 世界音痴 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 穂村 弘 |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784093873734 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品 |
購入者の感想
この本を読んで、あまりにも自分と似ているので驚きました。普通の人が普通に振舞う「自然に」ということができない、そのことを表した「世界音痴」という造語はみごとですね。私も実は世界音痴でした。寿司屋での注文が「自然に」できない、半そでを着始めることが「自然に」できない、などなど。かなり誇張されたことも多いですが、かかれているエピソードの大半が共感できることでした。でも、これは案外多くのひとが他人にはいえないけど思っていることだったりして。
それぞれの文章の終わりに付された短歌も秀逸。
置き去りにされた眼鏡が砂浜で光の束を見ている九月
ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は
甘い甘いデニッシュパンを死ぬ朝も丘にのぼってたべるのでしょう
終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて
それぞれの文章の終わりに付された短歌も秀逸。
置き去りにされた眼鏡が砂浜で光の束を見ている九月
ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は
甘い甘いデニッシュパンを死ぬ朝も丘にのぼってたべるのでしょう
終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて