男声 グリークラブアルバム(3) (2703) の感想

大学の男声合唱、いわゆるグリークラブの活動が年々低下しています。男ばっかりですし、名門グリークラブのように過去の質を保証するには体育会系の練習量を必要とするので、敬遠されているのでしょう。
往年の素晴らしい演奏の数々を聴いてきた者としては、時代の流れとはいえ、残念な思いがします。

このグリークラブアルバムは、そんなグリーメンにずっと歌い継がれてきた曲を集めた愛唱歌集です。第1集は赤本と呼ばれ、多くの男声合唱人の手に渡りました。第2集はシルバーといいますか、グレーのシックな装いでした。この第3集はオレンジで第1集を踏襲するような装丁になっています。
今、第1集も第2集も品切れになって入手できないようですから、せめて入手できる第3集だけでも手に取って見ていただきたいと思います。

日本を代表する合唱指揮者でした福永陽一郎、北村協一の両氏による編纂です。シベリウスの「フィンランディア」を始め、古今東西の全35曲の名曲が収録されています。かなりの楽譜は福永陽一郎や北村協一の編曲によるものですが、それ以外にロビーコールでよく歌われた「斎太郎節」、「上を向いて歩こう」、「君といつまでも」や黒人霊歌、シーシャンティなどが入っています。過去の名演奏を思い出しました。福永陽一郎氏と北村協一氏の在りし日の後ろ姿を偲びながら思いを馳せています。