電力システム -基礎と改革- の感想

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タイトル電力システム -基礎と改革-
発売日販売日未定
製作者新田目 倖造
販売元電気書院
JANコード9784485665442
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 産業研究 » 資源・エネルギー

購入者の感想

電力系統に関わったこともない素人がレビューします。

電力システム改革2015年8月11日、九電がようやく原発を再稼働しましたが、今となっては発送電分離がかなり決定事項で電力自由化は話題性に乏しくなった気もします。自民党政権は民主党時代の議論をそのまま引継ぎ、欧州系統で2003年ごろから問題視されている「確定的周波数変動問題」をそのまま再現してもおかしくないような、あまり受け入れたくない電力改革論議が交わされました。

この本ですが、電力システムの基本特性をできるだけ専門的予備知識なしにとありますが、それでも結構難しい気がします。たしかに数式や作図は高校数学レベルで簡単なのですが、数式だけで電力システムを俯瞰するのはもちろん無理があるし、そうでなくともネットを除いて最も巨大かつ複雑な人工システムを、これだけ多くのテーマについて書かれた本で理解するのは正直難しいのではないかなと思いました(それでも基本的な話がたくさん網羅されているのは素晴らしいと思います)。予備知識なしといっても、高校数学と「RLC回路計算」を満足にできるぐらいの知識は最低限必要です。また、電力会社の発電機と聞いて何となくイメージが沸く人でも、その発電機が事実上100%「同期機」であることを知っている人はそうそういないでしょう。個人的にですが、電力系統を理解するには同期機の存在を強く認識すべきではないかと思います。

本書は交流回路の基礎から始まります。とても人間には理解できそうもない巨大な電力システムも、事故などの要素を無視して俯瞰的に見れば交流の線形回路として扱えるからです。いきなり「周波数制御」とか「系統安定度」とか難しそうな話を書いて読者を困惑させるよりずっと親切な説明方法だと思います。その代わり読者は「何のためにこんな退屈な話を長々書くんだ」的な我慢を強いられるでしょう。それは、どうしても必要な最低限の土台だからです。本書は電力技術、系統運用、電気事業、電力システム改革等、かなり全般にわたって書かれています。

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