逆転の５手詰 (将棋連盟文庫) の感想

４００ページ以上もあって厚いのに持ちやすい。
将棋誌紙に詰将棋を連載し続けている中田(章)七段が将棋世界誌に｢実戦に役立つ５手７手詰｣
として載せているもののうち、２００５年３月号から２００８年６月号までの掲載分から
５手詰の作品を集めて一冊の本にしたもの。１０か月分ずつの４章立て。
将棋誌紙の過去問集なのに内緒にし、本の中にこっそり小さく書いてあるだけの本もあるが、
最近は明示してあり良心的。

この本では、掲載時には無かった変化や紛れも追録されているそうなので、
さらに深い勉強ができる。左ページが問題だが、めくった右ページでは解説とは別に、
↑の｢変化｣｢紛れ｣が説明されており、しかもはっきり分けてあるので読みやすい。
上側に解答図大、下が｢失敗図｣か｢変化図｣小。

各章の最初のページはチェック欄だが、こういうのを使って練習していくのは
もっと実戦形の、易しい詰将棋集の時じゃないだろうか。
伊藤果、森信、中田章などの詰将棋集はそういうタイプではないと思う。
じっくり取り組んで応用力をつけるのによい
好作品集。