病院の世紀の理論 の感想

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参照データ

タイトル病院の世紀の理論
発売日販売日未定
製作者猪飼 周平
販売元有斐閣
JANコード9784641173590
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

医療問題というと制度の議論ばかりがされてきたが、医療は当然ながら、医師をはじめとする医療従事者、
病院をはじめとする医療機関等の組織があって成立つ。
医療提供体制から見た日本の医療の歴史書として非常に有用な本だと強くお勧めします。

原野に国民皆保険制度が、いきなり成立した訳では無い、また、患者・国民の要求だけで成立するわけでない。
それらの要求を受けて具体化するだけの医療のインフラが日本には在った、または近代化のなかで整備してきた
という歴史がもうひとつの医療の歴史であるべきだ。
こんなあたり前の視点をさほど重視せずに医療の歴史を多少な
りとも知ったつもりだった自分にあきれる。まさに目からウロコである。
それとともに、やはり人的、物的医療資源は、その国の貴重な財産であるということに気づかされる。

筆者は資料をもとに、江戸時代の医療から明治期の西洋医療の導入、駆逐される漢方医、そして戦後の皆保険制
度成立、、と詳述する。そのなかでこれまでの医療を「病院の世紀」と名づけ、これからの医療を展望する。

現在は、筆者が指摘する「病院から地域へ」という医療の岐路であるとともに、この貴重な医療資源を国民医
療の維持・発展に用いるのか、グローバリズムのなかで外資獲得の道具とするかも、大きな医療の岐路でもある
と思えた。

今流行りの総合診療医、家庭医、地域医療。各人で定義もバラバラ、皆好き勝手言っている現状にこの一冊は効くと思う。

病院の世紀から地域包括ケアの時代へ移行していく今、真に必要とされているものは何か。それを担うのはドクターかナースかはたまた他職種か。
ビッグバン的政策では上手くいかない日本の医療のグランドデザインを示すにあたり、頭の中で整理しておかねばならない事がこの一冊に詰まっている。0

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