法哲学 (有斐閣アルマ) の感想
参照データ
タイトル | 法哲学 (有斐閣アルマ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 平野 仁彦 |
販売元 | 有斐閣 |
JANコード | 9784641121485 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 法学 |
購入者の感想
我が国の法哲学史上,もっとも新しく,もっとも分かり安い,法哲学の教科書である.本の装丁と記述の分かり易さが,どこか予備校の参考書のようだ(既存の教科書と比較し,そのくらい分かりやすい)が,内容は,学問的にかなりハイレベルである.
「はしがき」に「現代法哲学の根本問題をわかりやすく説明することを意図」したとあるように,本書には,読者が,(例えば「市場」や「生命倫理」など)最前線の法哲学的問題を考えて行くための基礎知識が,網羅されている.一方で,法哲学の伝統的な議論についても,コンパクトにまとめてある.本書を読めば,法哲学が何を問題とし,どのように考えているかが,克明となるだろう.
さらに評価できる点は,記述のなかで,初出の専門用語には必ず定義が与えられていることだ.「小さなこと」だが,独習者への配慮として評価できる.
不親切な「教科書」だと,たとえば「矯正的正義」なる語が使用されているのに,「矯正的正義」の定義がなされていないことがある.法学徒間では「常識的」な用語であることと,既存のほとんどの教科書は,講義録として,大学の講義での使用が念頭におかれており,敢えて定義し説明するまでも無いということが,その理由だろう.教科書はあくまで「補助教材」として捉えられていたわけである.
「読書の手引」や「索引」も充実しており,至れり尽せりの感がある.0
「はしがき」に「現代法哲学の根本問題をわかりやすく説明することを意図」したとあるように,本書には,読者が,(例えば「市場」や「生命倫理」など)最前線の法哲学的問題を考えて行くための基礎知識が,網羅されている.一方で,法哲学の伝統的な議論についても,コンパクトにまとめてある.本書を読めば,法哲学が何を問題とし,どのように考えているかが,克明となるだろう.
さらに評価できる点は,記述のなかで,初出の専門用語には必ず定義が与えられていることだ.「小さなこと」だが,独習者への配慮として評価できる.
不親切な「教科書」だと,たとえば「矯正的正義」なる語が使用されているのに,「矯正的正義」の定義がなされていないことがある.法学徒間では「常識的」な用語であることと,既存のほとんどの教科書は,講義録として,大学の講義での使用が念頭におかれており,敢えて定義し説明するまでも無いということが,その理由だろう.教科書はあくまで「補助教材」として捉えられていたわけである.
「読書の手引」や「索引」も充実しており,至れり尽せりの感がある.0