ITシステム開発はなぜ失敗するのか の感想

ITシステム開発は、難易度の測り難いプロジェクトであると言える。ITプロジェクトはユーザー側の業務実態やシステム化による効果期待と、ITベンダー側の持っているノウハウや知見を本来、共有し、それらの橋渡しをすることから始める必要があるにも拘らず、現実にはそれが出来ているプロジェクトばかりではない。それらがしっかりと出来ていないと、ITプロジェクト自体の難易度を測ることも難しい、というのが現実ではないかと思われる。

本書は、ITシステム開発で陥りがちな誤解や失敗の理由や背景を解説し、ユーザー側、ITベンダー側双方が努力する必要性を詳しく述べている。筆者はITベンダー側の出身であるが、見方が偏らず、両者の理解と歩み寄りを促している点で、フェアなスタンスで書かれた一冊と感じる。