Sticks & Stones (Cut & Run Series Book 2) (English Edition) の感想

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参照データ

タイトルSticks & Stones (Cut & Run Series Book 2) (English Edition)
発売日2010-01-25
製作者Madeleine Urban
販売元Dreamspinner Press
JANコード登録されていません
カテゴリ洋書 » Special Features » By Authors » Literature & Fiction

購入者の感想

アメリカ版BL小説でござい。いくらマッチョでアルファメイルで超タフガイのFBI捜査官二名が主人公だろうと、これはゲイ小説でなくBL小説でござんすから、ホンモノの世界の方々には実用性がないかと…と余計なコトを一応言ってみる。
という訳で、アメリカでそのこの手のジャンルにおいて絶大なマニア人気を誇るらしい『Cut & Run』シリーズの第二弾。「Cut & Run」とは第一弾で出てきた一種の決め台詞から来ている。「We can still cut and run」と。
内容については別のレビュアーさんに任せるとして、いやあダイアローグ部分が上手い。本当に上手い。恍惚とするほど上手い。ユーモラスだし切ないし、滅多に心情を乗せない冗談と皮肉の丁々発止の下に震える心が常に緊張状態にあるような、エロチックな静電気が密かに充満しているような…アタクシはメインキャラ二人(テキサス男のゼイン・ギャレットと元海兵隊のタイ・グレイディ君…タイの方に何故か「君」付けしたくなる)のダイアローグだけで五十頁読んでもいいですわ。しかもカッコイイわ、このキャラたち。首を傾げるだけでカッコイイというか、目線を挙げただけでハート泥棒というか、大したものだ。心から感心したのは両者の他者性がよく出てるとこ。大抵のBL(ま、外国のはコレしか知らんから、日本のBLね)では、何人キャラがいようと同じ思考回路から作られた(作者は一人や)キャラだとしか感じないんだが、このお二人には他者性がある。別々の「声」を持っている。だからドキドキするってのもある。思惑が読めない他人と会話するのは慄きをともなうもんである。
急ぎ過ぎないストーリー開陳、キャラ創造におけるじっくりした厚みの付け方、プロット展開のサービス精神、ジャンルを超えて賛美したいところが沢山だ。終盤に(ネタバレ警報!)クーガーが登場した時にゃ大喜びしてしまったよ。そうね、アメリカには大型のネコ科野生動物がおるのやな。いやー、クーガーは日本じゃでけん。

本書はCut & Runシリーズ第2巻。第1巻Cut & Runのラストから6ヶ月後。

前回の事件で身体も精神も大きく傷ついたタイ・グレイディとゼイン・ギャレットの二人は、まだ現場には戻れず退屈なデスクワークをさせられていた。二人がFBI捜査官として現場復帰するためにはFBIの審査をパスしなければならず、その結果が正式に出るまでゼインは3週間の休暇を与えられる。

また同様にタイも、審査の結果が出るまで帰郷を上司に命令される(上司はタイの父親の親友である)。突然の休暇に行くあてもないゼインは、タイに誘われて彼の故郷であるウエスト・ヴァージニアへ同行することになった。

お互いに自覚のないまま、タイとゼインはなんとなく付き合っている。二人にはそれぞれ過去のトラウマがあり、前回の事件の後遺症も残っていて、精神も関係も不確かで不安定な状態だった。そんな二人がウエスト・ヴァージニアの大自然の真っ只中で、思いもかけない事件に巻き込まれるというお話。

シリーズも2巻になると、二人のキャラクターがはっきりしているので会話が面白い。そして前回よりも登場人物が多く、最初から展開が早くてテンポもいい。読み終わって、即座に8巻まで揃えることを決意した。

2巻まで読んで気になる点が一つだけ。主人公の二人が怪我しすぎで、読んでいて痛い。まあFBIの犯罪捜査官だから仕方ないのだが。

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