現象の花の秘密 の感想
参照データ
タイトル | 現象の花の秘密 |
発売日 | 2012-11-23 |
アーティスト | 平沢進 |
販売元 | テスラカイト |
JANコード | 4948722452874 |
Disc 1 : | 現象の花の秘密 幽霊船 華の影 脳動説 盗人ザリネロ 侵入者 Astro - Ho! Phase Amputeeガーベラ 冠毛種子の大群 空転G <ボーナストラック>現象の花の秘密 - E <ボーナストラック>Amputeeガーベラ - E |
カテゴリ | » ミュージック » ジャンル別 » J-POP |
購入者の感想
元々、20世紀前半ごろの弦楽重奏が好きです。
それから、ファミコンみたいなピコピコ音も好きです。
どちらも懐かしくてわくわくする感じがあるからで、このアルバムは両方を兼備えていてとても好みです。
先日平沢さんのサウンドに心を鷲掴みにされてから、遅ればせながら作品を一つずつ堪能している最中なのですが、
妖しいコードの展開と言い、じんわり沁みる歌声や歌詞と言い、うっとりしてしまいました。
美しく壮大な中終わって行くのかと思いきや、最後の-Eがスパイス効いてて思わず声上げて喜びました。
それから、ファミコンみたいなピコピコ音も好きです。
どちらも懐かしくてわくわくする感じがあるからで、このアルバムは両方を兼備えていてとても好みです。
先日平沢さんのサウンドに心を鷲掴みにされてから、遅ればせながら作品を一つずつ堪能している最中なのですが、
妖しいコードの展開と言い、じんわり沁みる歌声や歌詞と言い、うっとりしてしまいました。
美しく壮大な中終わって行くのかと思いきや、最後の-Eがスパイス効いてて思わず声上げて喜びました。
前作『点呼する惑星』より3年9ヶ月という長いスパンを経て、12枚目のオリジナルアルバムとして発表された今作『現象の花の秘密』。
他のレビュアーの方達が書いているように、今作は如何にもな電子音楽からは一線を画し弦を中心に構成したシンプルな楽曲が主になっている。
その上、豪華なファルセットやシンセの壮大なオケといった「今までの平沢」の派手な技法は今作ではナリを潜めている。
リスナーの中にはそういった「平沢らしさ」を求め、今作に対し落胆する人がいるということは想像に難くない。
だが、私には今作が「平沢らしさ」を捨てたことによって更に氏の意欲を感じさせる、そんな快作であった。
表題曲の出来は勿論、捨て曲一切無しの名盤である。
特に「盗人ザリネロ」「侵入者」「Amputeeガーベラ」の3曲は全く素晴らしい。
氏のこのアルバムの製作メモにあった”その質感と空間をして今までの平沢作品に有りそうで無かったもの。”とはまさにこれら3曲を示しているのではないか、とまで私は思ってしまう。
締めの曲である「空転G」も痺れる。
アルバム『白虎野』のラストを飾る名曲「パレード」が詩と音で表現するのが迫り来る巨大な不安、押し潰されそうな違和感だとするならば、「空転G」は密やかな不安、劇場でハッピーエンドの舞台を鑑賞している大勢の中で自分一人が劇場の柱が軋み外れている音に気づくような恐怖。それを今作中一のキャッチーな曲として「明るいのに不安」なアンビバレントに仕上げていることに脱帽。間奏のギターも泣ける。
今作において評価が別れることは致し方無いことだとは思われる。
だが、嘗てのP-MODEL時代やソロを考えるに、氏が行うことは「らしさ」を捨てることでは無かったか。
自分が造った従来のスタイルに安寧しない氏の姿勢こそが型破りな楽曲の源であり、私を含めたリスナーを魅了しているのではないか、と思うのだ。
「らしさ」を捨てる、という「平沢らしさ」を還暦間近な氏が未だに発揮できていることを実感できるという意味でもこのアルバムは秀逸だ。
他のレビュアーの方達が書いているように、今作は如何にもな電子音楽からは一線を画し弦を中心に構成したシンプルな楽曲が主になっている。
その上、豪華なファルセットやシンセの壮大なオケといった「今までの平沢」の派手な技法は今作ではナリを潜めている。
リスナーの中にはそういった「平沢らしさ」を求め、今作に対し落胆する人がいるということは想像に難くない。
だが、私には今作が「平沢らしさ」を捨てたことによって更に氏の意欲を感じさせる、そんな快作であった。
表題曲の出来は勿論、捨て曲一切無しの名盤である。
特に「盗人ザリネロ」「侵入者」「Amputeeガーベラ」の3曲は全く素晴らしい。
氏のこのアルバムの製作メモにあった”その質感と空間をして今までの平沢作品に有りそうで無かったもの。”とはまさにこれら3曲を示しているのではないか、とまで私は思ってしまう。
締めの曲である「空転G」も痺れる。
アルバム『白虎野』のラストを飾る名曲「パレード」が詩と音で表現するのが迫り来る巨大な不安、押し潰されそうな違和感だとするならば、「空転G」は密やかな不安、劇場でハッピーエンドの舞台を鑑賞している大勢の中で自分一人が劇場の柱が軋み外れている音に気づくような恐怖。それを今作中一のキャッチーな曲として「明るいのに不安」なアンビバレントに仕上げていることに脱帽。間奏のギターも泣ける。
今作において評価が別れることは致し方無いことだとは思われる。
だが、嘗てのP-MODEL時代やソロを考えるに、氏が行うことは「らしさ」を捨てることでは無かったか。
自分が造った従来のスタイルに安寧しない氏の姿勢こそが型破りな楽曲の源であり、私を含めたリスナーを魅了しているのではないか、と思うのだ。
「らしさ」を捨てる、という「平沢らしさ」を還暦間近な氏が未だに発揮できていることを実感できるという意味でもこのアルバムは秀逸だ。