コンパイラの仕組み (情報科学こんせぷつ) の感想

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参照データ

タイトルコンパイラの仕組み (情報科学こんせぷつ)
発売日販売日未定
製作者渡辺 坦
販売元朝倉書店
JANコード9784254127089
カテゴリジャンル別 » コンピュータ・IT » コンピュータサイエンス » 情報学・情報科学全般

購入者の感想

渡辺先生は、紙テープ時代のFortranコンパイラ、パンチカード時代のAlgolコンパイラ、医療用言語のMUMPSの処理系、そしてAdaコンパイラ等の幅広いコンパイラ開発を手がけた斯界の権威である。本書は、渡辺先生がその経験を活かし、コンパイラ開発の初心者のために、コンパイラの全体構成や各機能単位の役割や実現方式を平易に解説したものである。

まず、Tiny Cのコンパイラを作成する事を念頭に置いて、字句解析、構文解析、記号表、中間語、エラー処理、記憶域管理、レジスタ割り当て、コード生成と言った各機能が順を追って豊富な図例と共に易しく解説される。想定する読者を考え、例えば、構文解析手法の説明はLL(1)に留めたり、レジスタ割り当て(実際は最難関)では簡素な方法を紹介する等の工夫がなされている。研究・開発者としての経験と教育者としての経験が共に活かされた的を得た説明だと思う。後半で、実際にTiny C用のコンパイラを作るための具体的な手法が、やはり順を追って丁寧に説明される。この実装用のソースコードが付録として付いているので、学習者には便利である。

最終章で、「コンパイラ小史」と銘打って、10種の言語(コンパイラ)が紹介されるのだが、FortranからJavaへとなっていて、コンパイラの歴史と渡辺先生の経歴が重なるようである。全体の頁数も200弱とコンパクトに纏められており、初心者には「コンパイラの仕組み」を知る上で格好の入門書である。0

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