三本の植樹から森は生まれる 奇跡の宮脇方式 (祥伝社ポケットヴィジュアル) の感想

著者作品は初めて

著者は植物の専門家だが、
作家ではないのに出版も多数、
ユニークな存在と感じる。

植樹に関して　今まで正確な事を知らなかった。
よくＴＶで　杉の苗を植えている場面を観るが、
何の興味もわかない、
もちろん　自分が植樹をやりたいとは　思わなかった。

しかし本書は、

　植樹のビフォー／アフターを示して　その面白さを、

　工場や街角のスキマにも植樹が出来ることを、
　（むしろ工場の方が　きちっと管理出来るので適している）、

　ＣＯ２削減は　後ろ向きな節約ばかりでなく、
　前向きな植樹も必要、

もろもろ教えてくれる。

宮脇式植樹を　是非やってみたいと　思った。

ポイントは数個だけ。

　・その土地に昔からある樹木を植樹すること。
　　鎮守の森や古い屋敷林にその手掛かりが残っている。

　・高木、中木、低木、草木を偏りなく　まんべんに植樹する。
　　種類を限定しない。
　　特に広域高深度に根をはる高木は　森や地盤の安定には重要。　

　・２０〜３０種類の樹木を混植＆密殖する。
　　単植林は　生殖活動が活発になるので　花粉が多くなる。

　・ポット苗を使う、３年は手入れをするが、それ以降は自然に任せる。
　　手が掛からない森作り。

自分が住む場所の本来の植生マップもあるので、
是非購入して　自分の周りにある樹木と比較すると　面白い。

簡単な図鑑を兼ねているので、
これ１冊で　街の樹木の種別は見当が付くが、
正確な図鑑があった方がよい。

植樹の活動家である宮脇氏の著作。

活動家としてはすばらしいが、本書は、著者の経験やノウハウを伝えたいのか、
植樹という活動の重要性を皆に広めたいのかが曖昧で、
やや中途半端な印象を受けました。

２〜３時間もあれば読めてしまう内容、分量なだけに、テーマを一つ決めて
文章を構成して欲しかった気もします。

どんぐりから苗を作る方法は、図解付きで非常に興味深かったです。
子供の自由研究にもよいかもしれませんね。0