神々と天皇の間―大和朝廷成立の前夜 (朝日文庫) の感想

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タイトル神々と天皇の間―大和朝廷成立の前夜 (朝日文庫)
発売日販売日未定
製作者鳥越 憲三郎
販売元朝日新聞社
JANコード9784022604712
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 言語学 » 言語研究・記号学

購入者の感想

津田史学、それに続く井上光貞氏や直木孝次郎氏をドンとする
戦後古代史においては、神武天皇より後、第2代スイゼイ~第9代開化迄の
八代にわたる天皇は、架空の存在と考えられそれは学会の定説となった。
鳥越氏は本書にて、主に葛城地方に宮をおいたこれらの初期天皇が実在した
と主張、所謂「葛城王朝説」を唱えた。確かに、初期天皇は葛城氏を外戚
としているのに対し、次第に勢力を弱め、雄略期には敵対関係になり滅ぼさ
れる系列さえ出る。しかし、「葛城王朝説」は学会ではほぼ黙殺状態。
その妥当性を認める者は、皆無といえよう。しかし、意外に否定の根拠は
蓋然的なものにすぎないものがおおい。これは、前提を積み重ねる歴史学
そのものの性格にもあり、新知見がでて、いつひっくり返るかもしれない。
尤も、でる可能性は史学より考古学で、天皇陵の発掘解禁でもないと無理
だろうが・・・

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