ギネス世界記録2014 (単行本) の感想

子供の頃、誕生日のお祝いに買ってもらったのが1985年のデラックス版（当時はそういうエディションがあった）だった。カラーは巻頭の数十頁だけ、写真や図版もほどほどで、基本的に項目と内容が列挙された辞典っぽい本だったが、めくってもめくっても新しい、奇妙な、興味をひくものばかりで夢中で読んだ。まだインターネットなど影も形もなく、好奇心を満たしてくれるのが書籍しか無い時代だったからこそかもしれない。

ふと今も出ているのかと思い、2014年版を見つけたので購入。手にとってすぐ写真の多さに驚く。一冊まるごとカラーで、鮮やかな写真の隙間にところどころ記事が埋め込まれている感じ。写真を中心にすることで親しみやすさや視覚的インパクトはたしかに向上したが、引き換えに項目数が昔より随分減っていると感じた。29年前の版が辞書とするなら最新版はカラフルなカタログ雑誌のようだ。

知的好奇心を刺激する楽しい本であることには変わりない。掲載されている項目も限られた紙面に対して妥当なものが選ばれていると思う。ただ欲を言えば、多少写真を減らしてでも項目数を増やして欲しい。小学生でもインターネットを使えばなんでも知り、視ることができる時代であるからこそ、ギネスブックはここでしか出会えないマイナーな世界記録が満載された本でいて欲しいと勝手に思う。