Catherine, Called Birdy (Literature Guide Series) の感想

鳥が好きなので、「バーディー」と呼ばれるキャサリーンは１４歳。貴婦人の修行も縫い物も大嫌い。十字軍に入って英雄になるのが夢。ところが強欲な父は、キャサリーンを玉の輿に乗せて結納金をせしめようと、つぎつぎと求婚者を呼び集めてくる。
中世の騎士の地道な生活振りがうかがわれる、地に足のついた作品です。今と用法が違う単語が少々ありますが、ヤング・アダルト向けということで読みやすいです。
ストーリーは、シンプルな成長小説。親の決めた人生に反抗を続ける強情な少女の姿は、現在にも通じるものがありそう。いたずら好きで自分勝手だったキャサリーンですが、村娘の結婚式のために自分の服をプレゼントして、「いっそ村娘だったらよかった」と日記に記すあたり、大人になったねぇ~としんみりさせられてしまいました。ラストが唐突だったのがちょっと残念。
１９９５年度のニューベリー賞受賞作品だそうです。