援デリの少女たち の感想

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タイトル援デリの少女たち
発売日販売日未定
製作者鈴木 大介
販売元宝島社
JANコード9784796699648
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

出会い系サイトを使った未成年売春組織=「援デリ」という、夜の世界の「底」を描いたルポ。

冒頭から終章まで、目を覆いたくなるような、気分の悪くなる描写の連続だが、
援デリの世界における「貧者が貧者を喰らう」構造、
「不幸な人間に、さらに不幸が多重連鎖する」構造自体は、極めて古典的。

救いは、「底」の世界で、性を売り買いする「当事者」の数が、必ずしも多くないことか。

筆者の推計によれば、都内近郊で援デリに雇用されながら
「毎日売春しないと生きていけない」窮状にある少女は、リアルタイムで、多くとも数十人程度。

援デリの数自体は飽和状態だが、それと同じ人数だけ未成年の少女が売春しているわけではなく、
同じ少女が、いくつもの援デリを渡り歩き、解散〜再結集を繰り返しているだけ。

業者も、特定の人間が(逮捕にも懲りずに)
同じような手口の犯罪行為を繰り返しているだけ。

未成年を買春する男性の実像についても述べられているが、
おそらく、特定少数の男性が、比較的長期にわたって、
(摘発にも懲りずに)不特定多数の未成年を買っていることが予想される。

そういう意味で、売り手、買い手共に、
「同じ人間がグルグル回っているだけ」という
構造の存在が、本書からは読み取れるだろう。

「夜の世界の問題を解決したい」というNPO、福祉関係者には、大きなヒントになるのではないだろうか。

また、これまでなかなか表に出てこなかった、
「売春の世界における、女性知的障害者の問題」も詳細に書かれているので、
障害者福祉関係者は、必読。

筆者の渾身のルポを、問題解決のための資源として
活かしてくれる組織の登場を、切に祈りたい。

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