野村ノート (小学館文庫) の感想

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参照データ

タイトル野村ノート (小学館文庫)
発売日販売日未定
製作者野村 克也
販売元小学館
JANコード9784094084474
カテゴリ » ジャンル別 » スポーツ・アウトドア » スポーツ

購入者の感想

 本書に書かれているのは、野球の技術論が半分、野村監督の人生観、人材育成論等が半分というところでしょうか。

 技術論もいいのですが、私たちふつうの野球ファンにとって面白いのは、やはりそれ以外の内容です。

 プロ野球選手の人生は現役を終えた後のほうが長い、と野村監督はよく言いますが、本書でも、「何よりも人間的な成長が不可欠」、と強調しています。甘やかされて育った選手は後で苦労する、という実例にあの有名投手の名前も挙げていましたよ。

 反面、自分自身の至らぬ点も明かしています。

 著者が阪神の監督を辞任した2年後に、星野監督が阪神を優勝させました。

 当時、阪神のオーナーに言われたのは、

  「野村くんと星野くんには決定的な違いがある。野村君は詰めが甘いよ」

ということでした。

 野村監督は「4番を獲ってくれ」「エースを獲ってくれ」とフロントに要求しましたが、実際に誰を獲ってほしいとか、積極的にFA交渉に乗り出したりしませんでした。監督の仕事ではない、と思ったからです。

 しかし、星野監督は違いました。フロントに「伊良部」という実名をあげて選手を獲得させ、金本をみずから口説き、さらにコーチ、選手などチームの3分の1近くを入れ替えました。

 著者は、確かに自分は詰めが甘かった、と率直に認めています。

 監督として確信に満ちた内容が多かったのですが、自分が育てた選手に対するボヤキには、ちょっと笑ってしまいました。

 何でも、ID野球を一番仕込んだはずの古田から年賀状も来ないそうです。もちろん、お中元やお歳暮も一切ないので、たまにテレビのインタビューで

「野村さんに感謝しています」と古田が答えても、

  「いかにも無理やりいわされたという感じで、

   私はいい気持ちがしなかった」

といじけてしまっています。

 こういうところが「月見草」なのかもしれませんね(笑)。

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