CHARLIE/GLASS ELEVAT の感想

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参照データ

タイトルCHARLIE/GLASS ELEVAT
発売日販売日未定
製作者Roald Dahl
販売元Yearling
JANコード9780553153156
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Random House

購入者の感想

 ’Charlie and the Chocolate Factory’のラストでエレベーターごとチャーリーの家へ突っ込み、家族を仰天させたウィリー・ワンカ氏とチャーリー少年が、今度は家族全員を巻き込んだ冒険へと出発します。
 宇宙へ、地下へと世界を縦横無尽に駆け巡る今回の冒険、ワンカ氏のエキセントリックさやチャーリー少年の優しさは相変わらずで、ハラハラしたりホッとしたり、最後まで飽きずに読みすすめることができます。
 ただ、少し文句をつけるなら、前作に比べてストーリーが少々場当たり的な印象がするのは否めません。他の作品でダール氏の緻密なプロットに唸ったことのある人にとっては多少不満が残る部分があるかもしれません。
 しかし、この本の中で最も注目すべきなのは、前作では全く語られることのなかった、ワンカ氏の内面吐露の場面でしょう。
 前作で貧しいながらも思いやりを見せていたチャーリーの祖父母たちが、ワンカ氏に貴重な薬を見せられた途端欲に目が眩み、醜い争いを起こしてしまいます。これはまさに、前作で自分の欲望のままにわがままな振る舞いをして悲惨な目にあった子供たちの姿そのもの。何があってもウィットとユーモア、皮肉で煙に巻いてきたワンカ氏も、この様子を見せられてしばし憂鬱な気分に沈んでしまいます。「彼は肩をすくめるとみんなに背を向けた。醜い言い争いを見たくなかったのだ。『悲しいことだが、世界中のどんな人間でも、本当に欲しいものを目の前にぶら下げられると実にみっともない行動をとってしまう・・・』」
 純粋な心を持ち、行くところ可ならざるはなしの天才ウィリー・ワンカ。いつも見せない彼の悲しみがチラリと見えると同時に、なぜ彼が自分の後継者にチャーリーを選んだのかがうかがい知れる場面です。
 ’Chocolate Factory’を読んだ方には是非読んで欲しい本です。

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