終わりなき危機~日本のメディアが伝えない、世界の科学者による福島原発事故研究報告書~ の感想
参照データ
タイトル | 終わりなき危機~日本のメディアが伝えない、世界の科学者による福島原発事故研究報告書~ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ヘレン・カルディコット(監修) |
販売元 | ブックマン社 |
JANコード | 9784893088390 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
「終わりなき危機」読了。
福島の問題は終わっていない。政府は次の世代へ核のゴミを残すことを容認し、原発を再稼働しようとしている。僕たちは、なぜ未来の子供たちの健康被害に目をつむり、過去最悪の事故を起こした国の責任を問わないのか、本当に考えさせられました。纏めると以下のような内容。日本人として知っておくべき視点。
・福島第一から空気中に放出されたセシウム137の量は、広島の原爆の168倍。日本の法律を厳密に適応するならば東北から関東までの14000㎢が汚染エリアとなっていた。日本政府はその現実に直面し、対象エリアに住む人に対し何もしないことに決めた。
・国は年間20mSvまで放射能を浴びてもよい、としているが、それは一年で胸部X線を1000回浴びる量に相当し、ごどもの場合はがんにかかるリスクが5〜7倍となる。チェルノブイリでは事故の4年後まで甲状腺がんと診断された例はないが、福島では4年以内に89人が発症した。
・セシウムの化合物には高い水溶性があり汚染は簡単に広がる。本州の13%がセシウム137に汚染され、最も深刻な汚染は雨が降った首都圏の外側で沈着した。原発事故により放出された放射性元素は数百年から数年にわたり食物連鎖で濃縮され続ける。私たちは汚染された世界に生きるしかない。
福島の問題は終わっていない。政府は次の世代へ核のゴミを残すことを容認し、原発を再稼働しようとしている。僕たちは、なぜ未来の子供たちの健康被害に目をつむり、過去最悪の事故を起こした国の責任を問わないのか、本当に考えさせられました。纏めると以下のような内容。日本人として知っておくべき視点。
・福島第一から空気中に放出されたセシウム137の量は、広島の原爆の168倍。日本の法律を厳密に適応するならば東北から関東までの14000㎢が汚染エリアとなっていた。日本政府はその現実に直面し、対象エリアに住む人に対し何もしないことに決めた。
・国は年間20mSvまで放射能を浴びてもよい、としているが、それは一年で胸部X線を1000回浴びる量に相当し、ごどもの場合はがんにかかるリスクが5〜7倍となる。チェルノブイリでは事故の4年後まで甲状腺がんと診断された例はないが、福島では4年以内に89人が発症した。
・セシウムの化合物には高い水溶性があり汚染は簡単に広がる。本州の13%がセシウム137に汚染され、最も深刻な汚染は雨が降った首都圏の外側で沈着した。原発事故により放出された放射性元素は数百年から数年にわたり食物連鎖で濃縮され続ける。私たちは汚染された世界に生きるしかない。
評判がよかったので購入してみたのですが、第一章は 菅直人 第二章は 小出裕章さんというシュールなラインナップ。「放射脳」は日本を滅ぼそうとしているという持論をお持ちの方がよく使う「自然界にも放射能は沢山ある」というフレーズがまやかしであることがはっきりわかる57ページを読むだけでも買う価値があるとは思うものの、あまりのことに一章だけ破り捨てました。玉石混合の本。
福島原発事故から4年。この間「福島」については、さまざまな研究や報告、未来予測が語られてきた。しかし、報告する側であったり、受け手の側であったり、あるいは両方ともが、ほんの少し過剰な意味づけをするものだから、安全なのに危険であったり、危険なのに安全であったりの議論に翻弄され、冷静に物事を直視することができない4年でもあった。それは当事者だからにほかならない。たとえば食べ物が危険なのであれば、生産者が困る。しかし安全とされたものがほんとうは危険なのであれば、今はよくても、後々、子どもたちが困る。結局、当事者である我々は、判断を保留する。本書は、19人の寄稿者が福島原発事故について研究・報告するが、そのうち実に15人が海外の科学者によるものだ。海外の研究者だから必ずしも客観というわけではなかろうが、それでも読者は、外からの意見によってはじめて、冷静に物事を直視することができるのではなかろうか。その意味で、とてもいいタイミングでめぐりあえた良書と思った。